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グラフィティ・ライター:TOMI-Eが画集を出版。個展+レセプションが今週末開催

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 1990年代から活動を開始し、日本人グラフィティ・ライターのパイオニアのひとりでもあるTOMI-E。グラフィティ自体に興味がない方でも、HIP HOP好きなら彼が手がけたアートワーク/ロゴなどをどこかで見たことがある人は多い筈だ。
 
 近年は、これまでに培ってきたグラフィティのテクニックと日本伝統の浮世絵を融合したスタイルを模索し続けてきた彼が、この10年弱の期間で作ってきた600点以上にのぼる作品の中から、女性をテーマにした作品を厳選した画集『艶』を出版した。そして、その出版を記念した個展/レセプション・パーティが9月29日(土)と30日(日)に原宿SO1 Galleryにて開催される。TOMI-E本人に、現在のスタイルに行き着いた経緯や画集/個展についてなど、コメントを頂くことが出来た。
 
 
■プロフィールによると、2009年頃に浮世絵と出会われたようですね。
「当時、初の個展をやったんだけど、そのときに先が見えなくなってしまって。『自分のアイデンティティはどこにあるんだろう?』って思って、より奥深いモノを探す旅に入った。そこで、美術館で初めて他人の作品 — それこそ浮世絵とか版画とか — を見ていく内に刺激を受けて。コレはステンシルに近いと思ったし、そういうところからヒントを得て、また描き始めるようになったんだ。ステンシルの感覚で和紙にスプレーを吹いてみたんだ」
 
■冨壱名義での画集『艶』は、完成した時系列毎に作品が掲載されていますが、初期の作品はまだグラフィティの要素が強いですね。
「最初の頃はまだグチャグチャしてて、キャンバスのサイズを小さくしてただけ、という感覚。まだ江戸文化の背景/歴史を深くディグってなかったし。最初の頃の作品は、ネットで見つけたような女性の写真を描いてみたりとか、ホント、リミックスみたいな感じで、女性+HIP HOP的なモノを入れていた。だけど、スプレーを使ってるだけでHIP HOPやグラフィティは表現できるワケで」
 
■具体的に、どのように作品を作っていくんですか?
「型紙みたいのを色毎に何種類か作って、その型紙の上にスプレーを吹き付ける。だから、ホントにステンシルと同じようなやり方。最初はコピー用紙とかを切り抜いて使ってたけど、どうしてもズレたり(線が)ブレたりしちゃったから、設計とかで使うようなプラスチック製の型紙を見つけて、サイズもちょうど良かったから今はそれを使ってる。だけど、難しかったのは和紙選びだね。紙によって滲み方や吸い込み方、発色も違う。同じ“漉き師”の先生が漉いた紙でも一枚毎に違うんだ。そこがすごく面白いね」
 
■『艶』に収録されている作品は、全て女性がテーマになっていますね。
「以前は、女性を描くのが苦手だったんだ。多分、いろんな拘りがありすぎたんだろうね。だけど、歳を取っていく内に『ハードコアなだけでも良くないし、それだけが自分じゃないな』って思うようになって。元々オンナ好きだし、そういう部分をもっと写し出せればいいな、って思ったのが女性を描くようになったキッカケだね。眼と唇を描くのが難しい。輪郭も、以前に描いてたキャラクター物とは違うし。『艶』は、言わば“エロ本”だから。自分好みのオンナをひたすら描いてる(笑)。ヌードとか激しい感じのも描いたけど、流石にこの画集に載せるのはやめよう、と(笑)」
 
■画集にもシンガー:AIの絵が収録されていますが、実際にモデルを起用してデッサン/スケッチのような作業はしてるんですか?
「後期の作品だと、モデルがいる作品もあるね。一日、その娘と遊んで写真を撮ってそこから起こしたモノもあるし。基本的に、仲が良くて一緒に呑めたり遊べたりする子たちだね」
 
■影響を受けた絵師はいますか?
「一番影響を受けたのは歌麿。寛政年間の歌麿/北斎/広重/写楽、その後の時期だと国吉とかいるけど、その中でも歌麿は、実際に吉原に住み込んで遊郭の女を描いてたんだ。歌麿の描く“大首絵” — 要はバストアップの絵なんだけど、そこに惹かれた。女性が髪を結ったり口紅を塗るような仕草を描いているところに持って行かれちゃったんだよね。後期の江戸って、スゲェHIP HOPだと思うんだ。あの頃の東京って、文化的にも自由だったし勢いがあったと思う。エンタメでは歌舞伎があって、プロマイドとして浮世絵があって、遊び方も粋じゃない?呑んだ後に遊郭に女遊びに行くとか、キャバクラに行くようなモンだし(笑)。もちろん、お上の制限とかはあったんだけど、そういった江戸文化は90年代に俺が実際に体験したHIP HOPと似てるんじゃないか?って思うようになって、そこに面白さを感じたんだ」
 
■この画風は、今後もライフ・ワークになりそうですか?
「もうライフ・ワークになってるね。やっと、『コレは一生モノだ』ということが掴めた。グラフィティだとその感覚はなかった。グラフィティだと海外に行けばスゲェヤツらがいっぱいいるし、オリジナルな作品を超えるのはスゲェ大変なこと。でも、他のヤツらはこのスタイルをやってないし、25年経ってやっと、自分のスタイルが見つかったという自信が持てた」
 
■『艶』は既に出版されていて、9月29日(土)と30日(日)に個展とレセプション・パーティが開催されるようですね。
「個展では原画を置く。画集に入ってる作品で手元に残ってるのが4点ぐらいしかないから、今(取材時)も新作を作ってる。テーマが“艶”だから、レセプションの出演者やスタッフは全員女性がいいな、って。だから、DJも全員女性でやろうと思ってるね」
 
■やっぱりパーティにしたかったんですね(笑)。
「したいですよー。江戸の歌舞伎モンみたいなスタイルで、女性たちに神輿を担いでもらって、みんなで楽しく酒を呑めればな、って」
 
 
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EVENT INFO
TOMI-E Art book launch
 
日時:
【個展】9月29日(土)13:00〜19:00/9月30日(日)12:00〜17:00
【レセプション・パーティ】9月30日(日)17:00〜21:00(招待状持参、もしくは受付にて画集をご購入の方のみ入場可)

場所:原宿SO1 GALLERY(東京都渋谷区神宮前6-14-15)
出演(レセプション・パーティ):DJ ERIE/DJ MAYUMI/THE GOD MOTHER
 
 

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