INTERVIEW:

韻踏合組合

 

 
■続く“マイクリレー”もBPM的には148か74で構成されていますね。ただ、いわゆるTRAPビートとは違いますね。
 
SATUSSY「TRAPとひとくちで言ってもいろんなパターンがあるじゃないですか。それに、“TRAP”と“BOOM BAP”みたいな二極化することがまず違うと思ってて。TRAPでも俺ら4人で巧く乗せられるパターンもあると思うし、ブーム・バップでも俺らが映えないモノもある。ビートは『誰がどう乗るか』で変わるし、単純化する必要はないのかな?って」
 
HIDADDY「それに、ソロとかフィーチャリング/ビート・ジャックではTRAPモノもやってるんで。“This Is Amemura”、“Who Run It (Uraniwa Mafia Remix”)、“具志堅”、“Paradise”……とか」
 
遊戯「だから、韻踏はどんなビートでもラップ出来ます」
 
HIDADDY「だけど、このタイミングでアルバムに入れたいビート感は、このアルバムに収録されているものだった、というか」
 
DJ KITADA KEN「言うたら、昔から韻踏はTRAPみたいなビートに乗ってたわけやし」
 
 
■バウンスやチキチキに乗るのは早かったですね。
 
SATUSSY「チキチキ……言うてたな~(笑)」
 
ERONE「『和モノで大ネタ』も俺らのイメージやけど、サウスが流行りだしたときには、そういうビートに乗ってたっていうのも韻踏の特徴で。ただ、メンバーが共通して感じてる『韻踏合組合っぽいサウンド感』があるんやろうな、って。だから、『これはソロ、これは組み合わせ、これはポッセで』っていうトラックのカラーの違いを、みんななんとなく感じてるんやと思う。でもそのカラーは、HIP HOPのど真ん中にも通用するって思ってるから、“マラドーナ”や“マイクリレー”みたいな曲も、シーンに対して形に出来るというか」
 
SATUSSY「プラス、“マラドーナ”はレゲエの現場でもかけられると、大阪のビッグ・サウンドからお墨付きを頂いております(笑)」
 
ERONE「“マラドーナ”は“一網打尽”を越えたと思ってるんですよね。MVにするような曲は、“一網打尽”を超えるために作ってるんで」
 
SATUSSY「“一網打尽”の呪縛から逃れるために(笑)」
 
ERONE「“マラドーナ”は一網打尽に負けてないと思うし、一発の強さは“一網打尽”より強いと思ってて」
 
 
■“一網打尽”は乗り越えるべき自ら作った壁、という感触ですか?
 
ERONE「乗り越えるべきというか、ヒット曲があると楽なんで。尾崎豊で言えば“15の夜”や“I LOVE YOU”、円広志だったら“夢想花”みたいな(笑)。実際、“一網打尽”のおかげでいろんなフェスにも呼ばれるし、あの曲はみんな盛り上がるだけの認知度と強度がある。ただ、その意味ではクルーで10枚、ソロも含めると20枚以上作ってるんですけど、ヒット曲は“一網打尽”の1曲しかないんですよね。だから、韻踏合組合=“一網打尽”と言われるのは光栄だし嬉しいことなんですけど、その次を作りたい。敢えてヒット曲を作ろうとは思ってないけど、出来た曲がヒットすることは狙ってるし、願ってる。だから、『韻踏といえば“一網打尽”と“マラドーナ”でしょ』みたいな状況が作れれば、韻踏がもう一皮剥けるんじゃないかなと思うし、“一網打尽 (REMIX) feat. NORIKIYO,SHINGO★西成, 漢”が1,500万再生とかしてるんで、“マラドーナ”はあれに並ばないとな、って」
 
遊戯「楽曲としても、角のある“一網打尽”と、丸みのある“マラドーナ”っていうバリエーションが出来たのは、韻踏のカラーとしても良いことやな、って」
 
ERONE「“マラドーナ”がアルゼンチンから火が着いて世界中で話題になって、逆輸入の話題の曲として『スッキリ!』出たろうと思ってますからね」
 
遊戯「ピコ太郎状態で。アルゼンチンの大統領の孫が歌わへんかな(笑)」
 
 
■“マラドーナ”、“マイクリレー”、“Champ Road feat. LINDA (noTOKYO)”の並びは完全にどうかしてますね。
 
ERONE「『めちゃくちゃやん!』って。自分らのアルバムだからなんも思わんけど、人のアルバムだったらどうかしてるな、と。確かに(笑)。一応、『王手』からの“王道”という意味での“Champ Road”であり、そのアイディアとnoTokyoのトラックがそこにぴっちりハマって。メタル・ラップが流行ってるから、一応そのテイストも意識しつつ」
 
HIDADDY「今回の曲はライヴが大変ですよ」
 
遊戯「今までで一番息切れするアルバム」
 
HIDADDY「もう一回みんなでジム行き直さなダメですね(笑)」
 
 
■この展開は10代の子がノリで作ったぐらいのパッションを感じたし、そこにキャリアの上でのスキルがあるから、なんとも不思議な感触があり、この「いびつさ」が韻踏の味なのかな?とも改めて思いました。
 
ERONE「一曲一曲のコンセプトやテーマは練って、内容は明確に、特にフックで分かりやすくしてはいるんだけど」
 
HIDADDY「アルバム全体のコンセプトっていうのは、今回は特にないですね」
 
ERONE「だから、『Vol.0』に近い感じは自分たちでも思いますね。『Vol.0』と違うのは、トラックもテーマも既にやり尽くした上で、更にもう一段階突っ込んで考えているので、その時点で内容に関しては、超えるべきハードルはクリアしてるのかな?と」
 
HIDADDY「HIP HOPの王道を行ってるアルバムにはなってると思うんですよね。HIP HOPを知らない人が聴いても、#スポくて楽しい、知ってる人なら“マイクリレー”のZeebraさんの声をスクリューさせてる部分にニヤッとするやろうし。ディグっていけばより楽しめる、HIP HOP要素満載のアルバムでございます」
 
 
■前作「王手」はNAOtheLAIZAとDJ PANASONICがトラック・メイクを担いましたが、今回はより広いプロデューサー陣が参加していますね。
 
ERONE「トラック・メイカーが増えて、サウンド面で幅が広がったのは今回の特色かも知れないですね。毎回、新しいトラック・メイカーも探そうとはしてるんだけど、前回やったらNAOtheLAIZAとDJ PANASONICが良い仕事をしてくれたんで、そこで固めて。ただ今回は、DJ PMXさんとかnoTokyoさんみたいに、『やりましょう!』って熱意を持ってアプローチしてくれる人がおったんで、そういう人とは、#スポく、スポ根ノリで作りましたね。PMXさんはとにかく話が早くて、レジェンドなんであんま突っ込んで言いにくいかな?とも思ったんですけど、踏み込んでアドヴァイスくれるし、こっちの意見もちゃんと汲んでくれて。ホントにプロフェッショナルでしたね。PMXのPはプロフェッショナルのPですよ」
 
HIDADDY「プロフェッサーのPかもしれない」
 
ERONE「どっちでもエエけど(笑)。あと、『REAL GOLD』以降はトラック・メイカーに対して『こういう曲が作りたいからこういうトラックをください』っていう狙い撃ちなんで、話が早い人じゃないと進められなくて」
 
SATUSSY「昔と違って、『無闇矢鱈にとりあえず作ろう』って方法よりも、こういうテーマとコンセプトがあるから、この人にトラックを振ろうっていう流れで基本的に曲を作ってて。そのイメージが俺らとトラック・メイカーの間でズレがなければ、その方がスムーズに進むんで」
 
HIDADDY「決め打ちにしないと、沢山トラックがありすぎて決めれなかったりするし」
 
 

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