INTERVIEW:

韻踏合組合

「マラドーナのユニフォームが韻踏の事務所に飾ってあって、それが背番号10で、このアルバムが10枚目、しかもマラドーナはサッカーの王様やし、俺らも9枚目のアルバムで“王手”を指したから、その次のアルバムでは“王”を名乗ってもいいのかな、と」 -- ERONE

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 クルーとして遂に10枚目という大台までアルバム・リリースを重ねた韻踏合組合。そのニュー・アルバム名は「マラドーナ」。
……果たして具象なのか抽象なのか、本気か冗談かも見当がつかないアルバム・タイトルだが、アルバムの前半戦である“マラドーナ”、“マイクリレー”、“Champ Road feat. LINDA (noTOKYO)”の展開から感じる、来年で結成20周年というキャリアを重ねてきたクルーにも関わらず、とにかくパッションとフィジカルで突っ走っていく、情熱と凶暴さが綯い交ぜになった様は、痛快の一言。
 
 そういった、リード曲ともなっている“マラドーナ”の中でHIDADDYがラップしているように、「無しを有りに」してしまう韻踏ならではのアルバムの密度と強度や突破力は、これまで以上に高まっており、通して聴けば、韻踏にしか出来ない作品作りというオリジナリティの妙に、感動すら感じる。そしてそういった衝撃は、「自分たちも作品作りで驚きたい」という、クリエイティヴィティによるものであろうし、その新鮮さは当然、リスナーにも強く伝わってくる。
 
 今回で10枚目のアルバムというマイルストーン的な作品にも関わらず、落ち着くことなく、フレッシュを探求し続ける韻踏合組合。来年に迎える結成20周年と併せて、その飽くなき探究心とエンターテインメント性はどこまで広がるのか、その興味は尽きない。
 
 
■先日、某所で“マラドーナ”と“マイクリレー”を披露したライヴを拝見しましたが、とにかくパフォーマンスのフィジカルの強さに感動しました。
 
HIDADDY「今回のアルバムのコンセプトが……組合長、お願いします!」
 
SATUSSY「『#スポい』。MURA-T先輩から拝借したんですが、まあ、スポーツっぽいという感じで」
 
ERONE「2曲だけなんやけどね(笑)」
 
HIDADDY「でも、俺の曲(“Footwork”)もスポーツっぽいし」
 
遊戯「“Wine 4 Me”でテーマになってるワイニーも、スポーツっちゃスポーツで」
 
ERONE「なんでもありやん(笑)」
 
 
■「マラドーナ」というタイトルはどこから?
 
ERONE「楽曲として“マラドーナ”を作ってたのと、アルバムもこのタイトルにしたらインパクトもあるし、オモロイやん、ってとこかな。あと、マラドーナのユニフォームが韻踏の事務所に飾ってあって、それが背番号10で、このアルバムが10枚目、しかもマラドーナはサッカーの王様やし、俺らも9枚目のアルバムで“王手”を指したから、その次のアルバムでは“王”を名乗ってもいいのかな、と」
 
HIDADDY「背番号が目立つように事務所のめっちゃ目立つとこに掛けてあって。タイトル決め会議のときに『見てみい!』『はっ!アレや!』って(笑)」
 
ERONE「そういうガイダンスも感じて……という『キャプテン翼』の日向小次郎ばりの強引なドリブルで決まりました(笑)」
 
HIDADDY「あと、SATUSSYはサッカー経験者で、組合の中では一番リフティングは巧い(笑)」
 
SATUSSY「韻踏豆知識ありがとう(笑)」
 

 
■アルバムはイントロに続いて“マラドーナ”から始まりますが、この曲はオンでBPMを取ると192もあることに衝撃を受けました。
 
HIDADDY「“マラドーナ”は『JUNGLE BROTHERSの“V.I.P”みたいな曲を今やったらヤバないですか?』っていうアイディアからスタートして。それでSATUSSYがPUNCH & MIGHTYにトラックをオファーして……その続きを組合長、お願いしていいですか?」
 
SATUSSY「急なパスやな(笑)。そのヒダやんのアイディアがすごく良かったんで、それが作れるんは誰かな?と思ったときにPUNCH & MIGHTYが浮かんで。なんとなく、ゴリゴリにHIP HOPじゃないトラック・メイカーが相応しいと思ったんですよね」
 
 
■それは“V.I.P”のトラック・メイクをビッグ・ビートのユニットであるpropellerheadsが手掛けた関係性に通じますね。
 
SATUSSY「MIGHTY MARSはもともとパンク・バンドをやってたから、縦ノリの感覚も分かってるし」
 
ERONE「DJ TAIJIや三木祐司とT-SKRABBLE DJ’Sを組んでたり」
 
 
■EVISBEATSとPUNCH & MIGHTY名義での“夜風に吹かれて”や、おかもとえみ“HIT NUMBER(EVISBEATSとPUNCH REMIX)”といったイメージがあったので、こういったイケイケのトラック・メイクは驚きでしたし、何度聴いても異常過ぎて最高な曲だな、と(笑)。
 
SATUSSY「ふふふ、異常(笑)」
 
ERONE「でも、今回の韻踏の肝になった曲だと思いますね」
 
遊戯「あの曲を作ったことで、振り幅が明らかに広がった」
 
ERONE「それに、あの曲は俺らしか出来ないと思うんですよ」
 
遊戯「あそこまで振り切るのは難しいでしょ」
 
ERONE「KANDYTOWNは出来ないでしょ(笑)」
 
遊戯「『ダサっ!』て言われそうやし(笑)。でも、韻踏は“揃い踏み”の頃からクールなカッコ良さのイメージはないんで、大丈夫かな、と(笑)」
 
SATUSSY「音もちょっと荒いんですよね。割れてたり、歪んでたりするのを敢えて活かしてて。良い意味でのブート感というか、南米のチープなのに凶暴なダンス・ミュージックみたいな感触を取り入れたくて」
 
 
■バイレ・ファンキみたいな、異常な音質なのに死ぬほど踊れるビートが南米からは出てきますね。
 
ERONE「他の曲はラップのテイクも重ねたんですけど、“マラドーナ”だけは最初のテイクを使ったんですよね。巧さや熟れた感よりも、最初のテイクにしかない声のハリとかノリを活かしたくて」
 
 

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