INTERVIEW:

PEAVIS

 

 
■コーラスにkiki vivi lilyを迎えた“Perfect View”では、「誰かに救われる」というテーマを明確にしているのが印象的で。
 
「今って暗い曲が多いじゃないですか。TwiGyさんが『“ドラッグやって、女抱いて、世の中ファックだぜ”っていうTRAPは悪魔の音楽だ』って言ってて(笑)。確かに、絶望を語るのってあんまり良くないと思ったんですよね。この曲で『昨日は人生最低の日/だけど今日は快晴』って言ってるんですけど、昨日が最低でも、今日それを乗り越えれば、明日はもっと良い日になるんじゃない?って。今、『救われない』って思ってる人も明日は救わるかもよ、っていうメッセージを自分は出したいんですよね」
 
 
■ここ最近、頑張れソング的な意味じゃない、希望を語る歌が増えてるような気がするんだけど、それは状況があまりにも過酷すぎて、ノー・フューチャーを歌うには、あまりにも世の中がノー・フューチャーすぎることへのカウンターなのかな?って。
 
「かもしれないですね。こないだ思いついたんですけど、自分たちの音楽は“ピースコア”じゃないかな?って。『自分らのジャンルって何かな?』と思ってたときに、ピースを歌ってるけどナヨナヨしたり単に『頑張れ』っていうんじゃなくて、かと言ってハードコアで暴力的で、っていうのも違う……だから、『ピースの意志が強い音楽』みたいな意味で、“ピースコア”っていうのはどうだろう?って。上っ面の平和じゃなくて、強い気持ちの平和、みたいな。だから、俺らはピースコアHIP HOPだと思いますね(笑)」
 
 
■その造語は面白いし、たしかにこのアルバムはピースコアなのかもしれないですね。
 
「ありがとうございます」
 
 
■“Tadashii Machi 2019 / Yelladigos”ですが、これは椎名林檎の“正しい街”へのオマージュ?
 
「そうです。地元の曲は絶対に入れたかったし、それをYelladigosでやりたいと思ってたときに、“正しい街”をオマージュするのは面白いかな?って」
 
 
■“正しい街”は自分が出ていった街を振り返って歌う話だから、今も福岡にいるYelladigosとは構造が真逆になってますね。
 
「応援してくれる人も多いんですけど、地元の中には『東京のレーベルから出すし、アイツらなんだよ』的な空気感も若干あって、正直ダルい部分もあるんですよね。地元ってずっと住んでると代わり映えもしないし、そういうイザコザを感じると『もう出たいな』って思う部分もあるんですけど、この曲では逆に地元の好きなところを描いてみよう
、と」
 
 
■10曲目の“Beautiful Life”にはシンガー・ソングライターのYonYonが参加してますが、これはどういった流れで?
 
「Yonちゃんは韓国生まれで、小学校で日本に来たら『韓国人』っていじめられて、いっとき韓国に帰った時期は逆に韓国で『韓国語の発音がおかしい』とか『日本に魂売ったヤツ』みたいに言われた、って。そうやって、日本人でも韓国人でもないのか?っていう(アイデンティティの部分で)苦悩してた話を聞いたときに、音楽はそういうのを越えていけるっていうのを歌いたくて、そういうテーマで曲を作ったし、Yonちゃんにも参加してもらおう、って。今も日韓の情勢ってめっちゃ悪いじゃないですか。そういう人種間のヘイトとかはもうやめようよ、って」
 
 
■ひとつ気になったんですけど、“Mirrorball Kingdom feat. RIO & Daia”で、プロデューサーのJazadocumentっていうタグがちょっと速い気がしたんですが。
 
「実は、Jaza君から送られたビートが、パソコンの誤作動でめっちゃ早回しになってて。それで、そのBPMでヴァース録って戻したら『ごめん、これビートめっちゃ速くなってた』って(笑)。オリジナルを聴かせてもらったらめっちゃメロウだったんだけど、速いヴァージョンが気に入っちゃってたんで、Jaza君に『嫌だと思うんですけど、このまま行っていいですか?』って。Jaza君も本意ではなかったと思うんですけど『まあ、いいよ』って。だから、誤作動が原因です(笑)」
 
 
■ジャケットも前名義では顔を出してたけど、今回は抽象的なイメージですね。
 
「ジャケは自分のタトゥーとかやってもらってるグラフィティ・アーティストにお願いしたんですね。この花瓶は粘土で実物を作って、それをブツ撮りしてるんですけど、花瓶の中に未来の植物が咲いてて、その花びらが落ちてたら、それを微生物が食べて、それが栄養になってまた花が咲くっていう、サイクルを表わしてて」
 
 
■なるほど。話は変わりますが、PEAVIS君から見る今の福岡シーンはどういった感触がありますか?
 
「『Yelladigosがいけなきゃ無理でしょ』っていう空気感もあるし、実際『お前らしかいないよ』って、ギャングスタな人たちもアンダーグラウンドの人たちも、バンド界隈やグラフィティのシーン、スケーターとか、いろんなシーンが応援してくれてる。たぶん、いきなり出てきてポップなことをやったらディスられるかもしれないんですけど、俺らの今までのストラグルだったりストリート・ライフも知ってるから『アイツら本物だからイケるでしょ』って言ってくれるんだと思いますね。ただ、シーン全体で見ると、みんな各々頑張ってるんだけど、総体としてはわりと止まってて。ゲストが来るイヴェントは人が入るけど、福岡の若い子がやってるイヴェントはガラガラ。親不孝通りもどんどん古い建物とか潰してホテルにしてるし、クラブも潰れて活気がなくなってますね」
 
 
■各地の大都市で起こっていることだけど、外国人観光客の多い福岡はどの影響を強く受けている、と。
 
KEN-BEAT「RAMB CAMPのFREEZさんのやってたBASEも違う場所に移って、アパレルやCDを置いてる店になって」
 
「FREEZさんは俺を15歳くらいのときにフックアップしてくれた人だし、クラブとかも毎回タダで入れてくれて」
 
 
■まあ、時効ということで(笑)。
 
「でも、そういう動きが自分でも出来たらな、って思いますね。実際、カッコ良い若いヤツも多いし、自分がもっと有名になれば、そういう世代もフックアップできるかな、って」
 
 
■これからはYelladigosとソロの両輪という形ですか?
 
「自分のソロに関しては、言いたいことが出来るまで溜めとくというか、そんなに焦ってやろうとは思ってなくて。Yelladigosでは来年の春ぐらいにアルバム出せたらなー、って感じですね。まだ何もしてないんで無理だと思うんですけど(笑)、それぐらい目指して。他にもKEN君名義でEPとかも考えてて」
 
KEN-BEAT「トラック・メイカーEPとして、6曲入りくらいで作りたいなと思ってますね」
 
「そういう風に、ソロやプロジェクトも含めて、『Yelladigosからリリースがある』って状況は途切れないようにしていきたいですね」
 
 
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RELEASE INFO
PEAVISの1stソロ・アルバム「Peave In Vase」のスピン・オフ的なEP「Another Vase」がデジタル限定でリリース!
 
TITLE:Another Vase
ARTIST:PEAVIS
LABEL:P-VINE
RELEASE DATE:11月27日
 
TRACK LIST
01. Nobita (Remix) feat. 孫GONG (pro. by. Lil’Yukichi)
02. Perfect View (Remix) (pro. by andrew (TREKKIE TRAX))
03. Home (Pro. by DJ KEN-BEAT& Fog)
 

 
peavis_flyer
EVENT INFO
Yelladigos presents Yellahouse -TOKYO SPECIAL-
PEAVIS 「Peace in Vase」Release Party

日時:12月8日(日)16:00〜23:00
場所:恵比寿BATICA
料金:前売 2,300円/当日 2,800円(各ドリンク代別)
出演:-PEAVIS/Yelladigos/MANON/RINOH (23vrsz)/Yethy Ronove/OLIVE OIL/KM/Lil’ Yukichi/YonYon/Kenbeat (Yelladigos)
(問)BATICA:http://www.batica.jp/
 
 

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