INTERVIEW:

田我流

 

 
■アルバムが進むにつれて、システムからどんどん離れていって、“Changes”でその明確な自覚と離脱を宣言して、“Anywhere feat. NTsKi “で「どこにでも行ける」っていうメッセージに展開していくのはすごく興味深くて。
「『今日はどこにでも行けるんじゃないのか』と思ってほしいし、誰でもチェンジできる……というか『よく考えたらどこでも行けるよね!』みたいな風に捉えてほしい」
 
■離脱や逃散も選択肢にあると。
「それに、自分でポジティヴなリリックを書くと、その通りになっていくのは分かってるから、自分の願望としても、一番最後はどこにでも行けるって形で終わりたかったっていうのもあるんですよね。自分の未来が良い方向に向くように。それに、基本的に俺は国外逃亡を目指してるんですよ(笑)。子どももいるし、この国ちょっと怖いし、みたいな」
 
■子どももいるから国外逃亡を考えるってどういう国だよ、っていうか……凄い国に今暮らしてるんだな、凄い時代に生きてるんだな、って思わされる。
「物悲しいアルバムなんですよね、本当は」
 
■ラストは“Takarabako”で終わりますが、これはインストですね。家族の声が乗ることや、“アレかも、、”や“夜のパパ”からの流れを考えると、ここで家族が出来たことをラップとして表現したり、説明したくなるのが人情なのかな?とも思うんですけど、そこをインストで纏めるのがすごく田我流君っぽいなって。
「本当は、その曲もラップを載せようと思ってたんですけど、『全部他の曲で言ってるわ』ってことに気付いて。それに、ライヴに向かう新幹線の中で、トラックを聴きながら夕日を見てたら『これでいいや』って思ったんですよね。『なんでも全部言う必要ある?』とも思ったし、『ちょっと足りねーな』と思うのも、『それが人生だよね』みたいな。だから、それを補うとしたら、フィジカルのジャケットだったり制作後記なんですよね。その余地の部分も含めて、最後にみんなの、それぞれの人生に希望を託すっていう形になったと思いますね。そういう構造とか全部含めて、すごい高いレヴェルまで行けたんじゃないかな?って。表聴きもちゃんとクリアできたし、自分のことも全部詰め込められたし…。謎とか仕掛けとか、こう繋がってるっていうのも上手く出来たし。現状ベスト、って感じですかね」
 
■だから、ラッパーとしてラップで表現するという部分に加えて、アーティストとして自分は何を表現するのか、どう思いを形にするのかが、そういう部分にも現われてるな、って。
「それに自分が気付けたことが、今回大きかったかもしれないです」
 
■ちなみに、次の作品は考えてます?
「やりたいことも既にもう固まってるので、すぐに取り掛かりたいんですけど、それが出来る時間があるのかどうか……。結構忙しくなってきちゃったので、そことの戦いとは思っていて。イメージとしては、ハイフィーが気になってて。そっちに今度は行きたくて。ハイフィーやりたくなってきちゃって。オークランド行ってもう一回調べ直してみようかな、って。あと、この7年の間には客演や別名義、それからみんなは知らないような隠れた名義でもめちゃくちゃいろいろやってるんで(笑)。そういう風にいろんな顔をいろいろ使い分けてもいて」
 
■今回のアルバムで明らかになったように、2017年リリースのFALCON a.k.a. NEVER ENDING ONELOOP「THE NEW MYSTERY」は、田我流君のトラック・メイカー名義での作品だったわけですが、そうやっていろんな顔を使い分ける理由は?
「単純に、バカだからじゃないですか?『ワケ分かんないわ、コイツ』みたいなことがやりたいというか(笑)。でも、その方が面白かったり、自分が求めるアーティスト像を形に出来ると思ったのかもしれない。普段自分が聴いてるモノもHIP HOPバキバキじゃないし、HIP HOPもど真ん中より変なものが好きなんですよね。そういう意味でも、いろんな顔が欲しかったんじゃないかな?って。ただ、そういうのもそろそろ整理していかなきゃな、とも思っていて」
 
■整理したり、統合したり、というか。
「でも、今回で一個バラしたから、また他の名義でやって、誰にも知られないように、勝手にネットにドロップして、みたいなことはやると思いますよ(笑)。なんというか、グラフィティのタグを街で探す面白さみたいな感じで」
 
■「このライター、ここにも来てるんだ」みたいな。
「そうそう。そういうのってHIP HOPの面白さだと俺は思ってるんで。秘密にしてるからこそ、内緒だからこその面白い部分っていうのは、これからもやっていきたいっすね」
 
 
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TOUR INFO
田我流Ride On Time Tour
甲府公演
日時:6月15日(土)18:00開場/19:00開演
場所:Conviction
料金:前売り 3,000円(ドリンク代別)
 
福岡公演
日時:6月21日(金)19:00開場/20:00開演
場所:Early Believers
料金:前売り 3,000円(ドリンク代別)
 
大阪公演
日時:6月22日(土)18:00開場/19:00開演
場所:心斎橋Sunhall
料金:前売り: 3,000円(ドリンク代別)
 
東京公演
日時:7月7日(日)18:00開場/19:00開演
場所:渋谷WWW X
料金:前売り: 3,000円(ドリンク代別)
 
 

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