INTERVIEW:

DINARY DELTA FORCE

「ラップの面でも音の面でも、俺らしかやれないモノがある。『クルーでの勝ち方』とか。俺らの世代のクルー感は、上の世代とも下の世代とも違うだろうし。全国的に見て、俺らのように出来てると思う人は少ないから、自分らがそれをやれば -- というか、やらないといけないと思う。その部分さえ貫ければ、って思うっすかね。DLIPは“共同体”なんで」 -- DUSTY HUSKY

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 2ndアルバム「THE 9」を2013年にリリースして以降、メンバーのソロ・プロジェクトを活発化させるフェーズに入っていたDINARY DELTA FORCEが、遂にグループ名義の新作を引っ提げて戻ってきた。
 
 しかも、今作「EVERYONE D NOW」は、4年振りの新作ということ以外にも、ダイナリ/DLIP好きにとっては知らなければマズイ級のプロデューサー:MARCO POLOが全トラックを手掛けているという予想外のトピックが付け加えられている。ブルックリン在住のカナダ人プロデューサーであるMARCO POLOは、数々のプロデュース・ワークや自身絡みのプロジェクトの数々を通し、ストレート且つクオリティの高いブームバップ・サウンドを生み出し続けている、「その筋」のHIP HOPが好きな人にとっては重鎮中の重鎮的な存在だ。当然、ダイナリの面々も彼のビートに心酔してきたからこそ、今回のコラボが実現したと思われるが、「大物海外プロデューサーとのコラボ!」という一見派手なキャッチ・コピーに反し(?)、相変わらずな彼らの美学を感じさせる、清々しいまでに渋い内容だ。また、MARCO POLOのビートの数々により、新たに引き出された彼らの内省的且つディープなフレイヴァーも強く、そういう意味でもこれまでの作品では聴けなかった感触のアルバムとなっている。
 
 
■ダイナリとしてのこの数年を振り返ると?
DUSTY HUSKY「『DLIPとして』動けてた、って感じですね。それぞれが — 例えば祀SPやRHYME&B、俺のソロやBLAHRMYのヤツらが出したりとか — DLIPの動きは自分の動きのひとつだし、同じなんで。だから、ダイナリとして4年空いただけで、DLIPとしての動きはずっとやれてたかな、って。ダイナリの2ndアルバム『THE 9』(2013年)が出て、3rdアルバムに向かうにあたって、『2ndアルバムを超える』っていうモノに出会うのに4年かかった、って感じです」
 
■じゃあ、「アルバムが出来ない」というより、自分たちのハードルを超える作品を作れる確信がなかったからこのブランクがあった、ということ?
DUSTY HUSKY「まあ、でも『出来ない』に近かったと思います。出来てたら作ってたと思うし。『2ndアルバム以上のモノ』を作るにあたって、MARCO POLOのビートが出て来るまではそれが出て来なかったというか。それだったらそれぞれが自分のやりたいことをやる、っていう感じでした。もちろん、ずっと続けて出していきたいっていうスタンスではあるんですけど」
 
■2010年に1stアルバムをリリースして、キャリア的にも年数を重ねてきたタイミングだからこそ、いろいろと考えることもあったのかな?と思ったりしたのですが。
祀SP「まあ、レヴェル・アップしていきたい、というのはありましたけどね」
RHYME&B「俺は、地元:藤沢だったり、その地元にいる友達とか、自分たちの近くにいる存在とかについて、より大事なんだな、っていうことを再認識した時期でした。その想いは年々強くなってきてるっすかね。1stアルバムの頃は初期衝動だけで突っ走れた部分とかもあるけど、ずっと継続して活動していくと、それだけじゃ超えられないステージも見えてきて。そういうところで、『自分らのカラーって何だろう?』ってなったとき、自分たちと距離の近い存在や人、そういう空気感はこれからも出し続けていきたいし、結局はそういうところが最終的に作品に投影されていくのかな?って」
 
■久し振りとなるダイナリのニュー・アルバムは、全曲をMARCO POLOが手掛けるという驚きの内容となりました。そもそも、彼と繋がったのは、2年前の彼の来日ツアーにDLIPが関わったから、ですよね?
DUSTY HUSKY「『MARCO POLOのツアーを日本でやりたい』って話が来て、その流れで実現したと思います。だから、具体的にどんな流れでツアーが実現したかは、あまり憶えてないですね。俺らは横浜公演を構えてただけなんで。彼とは横浜/大阪の現場で一緒にやりましたね。横浜は、自分のソロ・アルバムのリリース・ライヴでもあったんですけど、そのライヴを彼はメチャクチャ気に入ってくれてて、それを後で訊いたから、『向こうがそういう感じだったら、一緒にやれば良いモノが作れるかな?』って思った。単純に、日本人側からお願いして外人に作ってもらう、っていう感じじゃなくて、向こうからのリスペクトも感じたし、コレは絶対良いのが出来るな、って」
 
■それで、「一緒に曲がやりたい」とオファーしたんですね。
DUSTY HUSKY「最初は『EPを一緒に作ろう』って言って、『DUSTY HUSKY+MARCO POLOでやろう』って向こうも言ってくれたから、最初はその方向で進めてたんです。彼は、コラボ作はソロ+ソロのタッグが基本で、多分グループを手掛けたことがないんですよね。だから、途中で『グループ名義でやりたい』って相談したときも、最初は『話が違う』って言われたりしたんですけど。でも、自分的には『コレはダイナリでやる方がいい』って思って。自分の2ndソロ・アルバムも作り始めてたんですけど、そのヴィジョンとMARCO POLOのビートはちょっと違うな、って。自分のソロをひとりのプロデューサーだけで作るっていうヴィジョンがなかった」
 
■MARCO POLOは来日時、どんな感じでした?
DUSTY HUSKY「取り敢えず、ディグはめっちゃしてたっぽいですね。やっぱ“ディガー”だったっすね。RHYME&Bとか俺が和モノのネタを持って行って渡したら、それをスゲェ気に入ってくれたり。やっぱり音楽に対してストイックというか、それ以外の娯楽的なモノにはあまり興味がなさそうなイメージでしたね」
 
■写真とか動画を見る感じだと、無愛想なイメージがありますね(笑)。
DUSTY HUSKY「酒さえも飲まない人なんで(笑)。タバコとビートしかやらない、っていう」
 

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