INTERVIEW:

Itto x Jinmenusagi

「『フィールした音楽を気持ちのままに作る』っていう、すごい初心で今回のアルバムは作れたし、新しいルール/見たことのないルールで新しい競技にチャレンジできたって感じですね。だから、この動きはお互いのソロに影響してくるんじゃないかな、って」 -- Jinmenusagi

ittojinmenusagi_main
 最新型のHIP HOPやサウンドを取り入れながらも、その独特の解釈性とラップ・スキルによってオリジナリティの高い活動を続けるJinmenusagi。コンセプチュアルな構成と、他ジャンルともクロスオーヴァーした作品作りで独自の道を進むItto。その独自性の高いアーティスト性を持ったふたりがタッグを組み、生み出したアルバムが今作「Eternal Timer」である。

 本人たちの意識は別にしても、これまでのお互いのソロ作から受ける感触としては、ラップにおいては柔らかな声質とファンタジックなリリック性を感じさせるIttoと、いがらっぽく攻撃性も強いラップを提示するJinmenusagi。ビートを考えても、サンプリングや生音を基調にしたビート作りをするIttoと、打ち込みやベースを得意とするJinmenusagi……と、ラッパー/ラップとしての差異に加え、音感上の性格もかなり違うふたりによるタッグ作ということからも、その内容には非常に興味を持たされた。

 そして、そこで形になったのは、そういったお互いの打ち出す“違い”を、自分の世界で屈服させたり塗り替えるのではなく、自分とは異なった感覚を持つ世界に溶け込み、遊び、楽しむふたりの姿だった。その意味でも、しっかりと音楽的な化学反応をアルバムとして提示した一枚となっている。お互いに、お互いの隠された魅力を引き出し合った、新たな一歩を感じさせる作品だ。
 
 
■そもそもItto君とJinmenusagi君が出会ったのは、どんなタイミングだったんですか?
Jinmenusagi「Ittoのことを知ったのは、僕が動画サイトにラップを上げてた頃だから、ほぼ10年ぐらい前ですね。その当時はまだ珍しい形だったんですけど、Ittoは自分たちで映像やMVを撮って、しかもTV番組風の構成にしてYouTubeにその動画を“うp”してたんですね(笑)」

『団地妻TV』のシリーズですね。
Itto「『遊びでチャンネルを作ろう』って感じだったんですよね。当時はアメリカにいたので、自分たちの存在を広める方法がそれぐらいしかなくて」
Jinmenusagi「アレに心を動かされた人間がどれだけいることか(笑)」
Itto「ユニット名も“ライオネルちんちん”とか、完全に遊びだったのに(笑)」
Jinmenusagi「で、よく観たらロケ地は日本じゃないし」
Itto「当時、僕はカリフォルニアにいたからね」
Jinmenusagi「その映像の中に、ラップがメッチャ上手い人がいて、それがIttoだったんですよ」
Itto「僕もアメリカにいるときからウサギっちのSoundCloudを聴いてて、『メッチャ、ラップ上手いヤツがいる』って思ってたんですよね」

■最初はお互いにいち視聴者/いちリスナーという感じだった、と。
Jinmenusagi「で、3年ぐらい前に、Ittoから『日本に帰ってきたんで、よかったら遊びませんか?』って連絡をもらって」
Itto「東京に戻ってきたタイミングで、彼に連絡して会ったんですよね。居酒屋に行ったんだよね」
Jinmenusagi「渋谷の金の蔵で。それが初対面。そのときから思ってたんだけど、『メッチャビール呑むな、この人』って(笑)」
Itto「もう止まんないです(笑)。一杯呑んじゃうとスイッチが入って」
Jinmenusagi「遊ぶときに6本入りのケースとか買うと、俺が1本呑む間に5本呑んでますからね(笑)」
Itto「今回の制作でもそういう場面があったよね。僕がメッチャ呑んじゃってるっていう」
Jinmenusagi「酒がなくなるとソワソワしだすんですよ」
Itto「『ちょっとコンビニ行かない?』って」
Jinmenusagi「しかも、顔色も変えずに呑み続けるから怖いんですよ(笑)」

■なかなか危険な感じですね(笑)。Itto君は、ネットで知った人に連絡を取るタイプなんですか?
Itto「いや、ほとんど声はかけないですね。でも、ウサギっちはすごく気になる存在だったんで連絡してみたって感じでした」
Jinmenusagi「昔は、僕も『一緒に音楽作らない?』みたいに、色々ネットの中で声をかけたりしてたんですよね。例えばdaoko(現:DAOKO)とかはそういう感じでした。高校生の頃はそういう風に色々声をかけてたし、最初は一緒に曲作りをしたりもするんですけど、『遊ぶ度に1ヴァース書くのはダルいわ』みたいな人もいたりして、ラップのやる気度の違いで段々と脱落していくワケですよ。俺は今でもHIP HOPの友達と会ったら、4〜5時間あれば一曲作りたいって感じなんですけど、それに付いてこれる人もそんなにいなかったりして。でも、Ittoは常にクリエイティヴだし、その部分でも一緒に遊んでて上手くいくんですよね」
Itto「ウサギっちはストイックだからね。制作のペースもすごく早いし、一曲終わったら『次、行くよ!』みたいな。僕は結構練っちゃう方なんで、一緒に曲を作りつつも、ウサギっちが帰ってから書き直して、歌い直したりしてますね」

To Page topTo Page top