INTERVIEW:

餓鬼レンジャー

■“アゲマンボ”と並んで推して知るべしなタイトルの曲だと“シャッターチャンス”がありますね。そう言えば写真もスマホで撮る機会が多くなり、“シャッター”という概念も薄くなってきた一方、若者たちの間では『写ルンです』がリヴァイバル・ヒットしているというトレンドもあるようです。この曲から察するに、皆さん“撮られ好き”なんですかね?
ポチョムキン「『撮られたい』というより、『写真撮って下さい』って言われるのはありがたいことだし、こんな仕事してるのに『いや、ちょっとそれは……』って断るのは流石にないですね。写真撮るぐらいで喜んでくれるんであれば『いくらでも撮りたいっす!』っていうのがまずあるんですけど、フェスとかで自分たちの前に出た人たちが超撮られてるのに、僕らは全然撮られないというのは寂しいじゃないですか。だから、『僕はここにいるよ!』という感じで、『撮りましょうよ、僕と!!』ぐらいに前のめりな勢いでいます(笑)」
YOSHI「今の時代、ただ写真を撮るだけではなく、それをSNSに投稿していくという流れがあるじゃないですか。この曲を作った理由としては、写真撮影NGなイヴェントがあったとしてもこの曲のときだけは撮ってもOKということにしてあげて、そこからライヴの面白さが拡散すればいいな、ということは考えましたね。だけど、この曲では一言も『動画も撮っていいよ』とは言ってないんです。ここは重要な点で、動画撮影は本当に勘弁してほしい。次のライヴを観に来る人がネットにアップされた動画を観てしまうとつまらなくなっちゃうし。最近、本当に多いんですよね」

■スマホをずっと掲げながらライヴを観てる人、多いですもんね。
ポチョムキン「まあ、止めようがないから難しいんだけどね、こればっかりは」

■“L.A.S.D.”では、YOSHI君が愛するあの金色の飲み物を擬人化して表現しています。最近、HIP HOP界ではYOUNG HASTLE周辺がサントリー金麦を推していますけど、YOSHI君はアサヒ派なんですね。
YOSHI「アサヒスーパードライ一択ですね。一択というか、呑みに行って他のメーカーでもガッカリしながらも飲みはしますけど、家では基本、スーパードライですね。ビールの味そのものが分かってくるようになったのは比較的最近なんですけど、この曲を作るにあたってビールのことをいろいろ調べてみたんです。そうしたら、『ビールはストレスを抱えてる方が美味く感じるらしい』ということが分かって。つまり、人間にストレスが溜まっている方が苦味成分をより美味く感じるということらしい。僕も、大概のビールは美味いと思ってるから相当ストレス溜まってるんだな、って」
DJ OSHOW「僕もスーパードライ、好きですね。90年代とかって、スーパードライ、メッチャ流行りましたよね。その頃、自分は10代だったから飲んでないけど、TVつけるとスーパードライのCMがすごい流れてたから、アレで洗脳されたというのはあるかもしれない。だから、いまだに特別なときはスーパードライを飲みたい、みたいなのはありますね」

■なるほど。世代的に、僕もすごく分かります。落合信彦が出演してたCM、すごい流れてましたよね。
DJ OSHOW「だから、今の20代の子がスーパードライを好きなのかどうかは分からないですけど」

 
■ここまでのインタビューの流れからシリアスな話に移るのもなかなか難しいと思いますが、“ONE feat. SUGAR SOUL & JESSE (RIZE/The BONEZ)”が生まれた背景についても教えて下さい。
ポチョムキン「2016年の熊本地震がキッカケで作ろうということになったんですけど、『そのための歌です』とまでは言わなくてもいいな、とは思ってるんです。SUGAR SOULさんは今、熊本に住んでいて、自分でもチャリティ・イヴェントをやったりしてて、そこに僕も参加したことがあるんです。そういう流れがあったので、まずはSUGAR SOULさんを誘って。餓鬼レンジャーでも地元アンセムみたいな曲はいっぱい作ってきたし、今は住んでないのに地元で応援してくれる人が多い。だから、ちゃんとこういうことはやっていかないと自分たちがやってきたことがウソになってしまう。JESSEとは元々、一緒に曲をやるという話を別でしてたんですよね。彼は熊本が地元ではないけど、このタイミングで一緒にやったら熱いヴァースを蹴ってくれるだろう、ということで誘いました。こういう災害の話って、時間が経つと風化していってしまうじゃないですか。でも、自分の地元でこういうことが起こると身近な人で被害を受けた人がいるし、よりリアルに『終わってないんだな』と感じられる。タイミングとしては時間が経ってしまったかもしれないけど、出すことに意味があると思うし、歌い続けることが出来る曲だとも思ってます」

■熊本地震がキッカケではあるので復興応援ソングという意味合いもありつつ、そこに限定していないテーマなのでより長く歌い続けることが可能、ということですね。
ポチョムキン「そうですね。“ONE”というのは『繋がりが全て』という意味でもあるし、『ひとりでも』という意味合いも持たせたかった。SUGAR SOULさんもJESSEも、厳密にはHIP HOPど真ん中の人たちではないじゃないですか。そういうジャンルの壁を超えてひとつになるという意味でもこの面子で作るのがいいな、って思ったんです」

■餓鬼レンジャー史上、最もマジメな曲かもしれないですね。
ポチョムキン「そうなんですよ」

■だから、今作は振れ幅が大きすぎますよ。
ポチョムキン「今作は特に、ね」

■でも、餓鬼レンジャーのトピックを選ぶ際の視点やそこからの発酵のさせ方は、世の中に対する洞察力が備わっていないと出来ないことだとも思うので、そこはテーマのナンセンスさに囚われすぎて見過ごしてはいけないな、と改めて思いました。今後、挑戦してみたいテーマや方向性はありますか?
YOSHI「『餓鬼レンジャーに何が求められているのか?』という点と『どの位置にいるんだろう?』という役割分担に関しては明確にした方がいい、というのはよく思ってることで。例えば最近のMCバトルでは若いアーティストたちが活躍しているし、どんどん広がっていってると思うんですよね。で、そんな中で餓鬼レンジャーにとってどんな曲が必要か?というのは常に考えている。餓鬼レンジャーの音楽がガラッと変わってしまったら、やっぱりみんなビックリしちゃうと思うんですよね。やっぱり我々には我々のアホなノリというのが基本としてあるんで。一方で、今まで他の人たちがやってきたことを餓鬼レンジャーが普通にやるだけで『凄い』と言われてしまうこともある謎なグループでもあるんですけど。だから、テーマ選びに関してはどんどんチャレンジしていきたいですね」
ポチョムキン「今、またレゲトンが流行ってるじゃないですか。『KIDS RETURN』のタイミングで再始動したときに、『全部レゲトンのアルバムを作ろう』って話してたんですよ(笑)。そういった部分が反映されたのが、あのアルバムだと“TACO DANCE”みたいなノリで」

■しかし、再始動のタイミングでレゲトンとは、思い切った提案ですね。
ポチョムキン「で、みんなに超反対されて。だけど、そういう曲ってやっぱりライヴ受けが良いんですよね。だから、餓鬼レンジャーでそういう要素を落とし込んだアルバムを作ってみたいんですよね」

■でも、レゲトンとかマイアミ・ベースとかのノリはエロとも相性が良いので、確かに餓鬼レンジャーに向いていますね。
ポチョムキン「今作だと“Miss PenPen”とかは『マイアミ・ベースをやろう』って言って作り始めたし、そういう方向性は他にやる人もいないんで、餓鬼レンジャーらしいとも思う。さっきYOSHI君が言ってた“役割”ということだとそれがそうかもしれないし、餓鬼レンジャーでそういうことをやったら絶対面白くなると思う」

■「やりたくても出来ない」という人もいる中、餓鬼レンジャーのスタンスだと出来ちゃうというのもありますしね。
ポチョムキン「そうですね。もうAVまで作っちゃってるから、今更限界はない(笑)」
 
 

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