INTERVIEW:

NORIKIYO

「(人生は)ノー・ミスでは生きられないから、ミスったときにどう立ち上がってそのミスから挽回していくか、っていうことの連続だと思うんですよね。要は、『後悔した』って思ったということは、そこから成長するための扉が開かれているということだし」

norikiyo_main
安い言葉で言えばこうだ/皆持ってる二文字さ「後悔」
面と向かう気なきゃ聞かない方が……/ただ透き通る空の下 そこにゃ今日が……

(“Lost Sign”)
 
 
 アルバムというフォーマットに拘り続け、多作家でありながらアルバム単位でのコンセプト立てやムード作りに長けていることで定評のあるNORIKIYO。2014年末にリリースされた「如雨露」も、そういった意味で統一感のある作風だったが、この度リリースされた「Bouquet」も、あるひとつの感情が軸となって作り上げられたという。

 その感情とは、上述した“Lost Sign”のリリックにも記されている“後悔”。彼が近年に体験したパーソナル・ライフが起点となっているようだが、その感情を、リリース・アーティストとしては10年選手となった彼が(1stアルバム「EXIT」から10年!)、これまでのキャリアを通して磨いてきた言葉やラップ・テクニック、視点の置き方や経験などを用いて、様々なテーマ上でリリカルに描写している。(どのアルバムでもそうだが)シングル/MV単位だけでは、この“花束”を構成する花たちの形や色彩、機微は分からない。是非、“線”を意識した上で各曲の“点”を楽しんで頂きたいと思える作品だ。
 

 
■前作「如雨露」が出た2014年はNORIKIYO君にとってリリース・ラッシュの1年でしたよね。2015年に出た「実験的断片集」は厳密にはアルバムという位置付けではなかったですし。あのときに話を訊いた感じだと、「次作は時間をかけて作るんだろうな」という気がしていたのでこのタイム・スパンは長いとは感じなかったのですが、実際、自分の中では思っていたより完成に時間がかかったという感じですか?
「『Bouquet』に関してはスルッと出来たんですけど、今作とは別の曲で他のコンセプトのモノが一枚分出来てて、あともう一枚分、曲もある。ただ、順番的に『Bouquet』を先に出したかった。他の一枚で考えているのは、『NORIKIYOがラップしてるんだけど、NORIKIYOが言ってない』、みたいな。意味、分かります(笑)?」

■別人格/別人の視点としてラップしてるということですよね。
「そう。街に蠢いている人たちの気持ちで全部構成されている。例えばドラッグ・ディールしてて、昔の俺みたいに曲の作り方とか分からないけどラップしてみたいって人がいるとしたら、1stヴァースでは大口のお客さんが入って『たまには良いことあるなー』って言ってて、2ndヴァースではそのネタを買うって言ってたヤツがネタを奪うために待っている、みたいな。で、その曲の後にはそのネタを奪ったヤツが更に街のボス的なヤツにハメられて……っていう脚本を作る感じ。だから、“自分”が出て来ないんですよね」

■そういう作品のコンセプトについては、「如雨露」取材時でも語っていたのを覚えています。
「そのアルバム自体は結構出来てるんだけど、それをみんなに聴かせても『誰が誰なのか、キー君が全部ラップしてるから分からない』って言われて。そうなると、作品の内容を説明するために映画みたいなモノを挿すしかないな、って。でも、映画だとお金もかかるし現実的じゃないから、『マンガだったら良いかも』って思ったんですよね。マンガ+CD、みたいな」

■なるほど。そのコンセプト・アルバムの構想については以前から話していたから、そのアルバムの企画をボツにして「Bouquet」を作り直したのかな、と思ってたんですが、そういうわけじゃないんですね。
「アルバム自体はほぼ出来ているけど、それ以外のモノを作るのに時間がかかるんで。抜かりなくやりたいし、そこを急いでもしょうがないから『コレは一回温めとこう』って」

■NORIKIYO君は、コンセプチュアルなアルバムを作るという前提があっても、そのコンセプトにハマる/ハマらないに関わらず、インスピレーションが湧いた曲はどんどん作っていくタイプですよね。
「そうだけど、出来ないときもあった。今話した作品のことばっかり考えてたから、いざ曲を書こうとなっても『あれー?書けないな……』ってなって。書いてはいたけど、良いのが出来ない時期も結構あったっすね。去年の9月ぐらいまでは全然書けなかった。でも、10月ぐらいからババッと『Bouquet』の曲が出来始めて、“満月”だけは今年書いたけど、それ以外の曲は10月中に全部書いた」

To Page topTo Page top