INTERVIEW:

KREVA

■「嘘と煩悩」というタイトルは、どういうキッカケで思いついたんですか?
「6年くらい前から持っていたアイディアで、一回スタッフに提案したことがあった。『良いですね』って話になったんだけど、事務所の社長から『“嘘”(をタイトルに入れるのは)どうだろう?そこに引っかかる人がいるかもしれないね』って言われて、流れたんだ。で、移籍のタイミングだったし、何か引っかかりのあるタイトルを付けたかったから、ここで採用。それが決まってから“嘘と煩悩”って曲を作った」

■移籍一発目となると、セレモニー的にもっとリフレッシュ感が出たタイトルになってもおかしくないと思いますけど、そこをダブル・ミーニング/謎かけっぽいタイトルにしてるのはクレさんらしいな、と思いました。
「そうだね(笑)。ここ数作のアルバムが『SPACE』『GO』『心臓』『OASYS』とか、シンプルなタイトルが多かったけど、最初は『新人クレバ』だったり『愛・自分博』『よろしくお願いします。』だったから、そっちの感じかな?と思って。シンプルさと昔のトリッキーさを混ぜたタイトルって感じかな」

■今作のリリックを書く上で意識したことはありますか?
「なかなか、歌詞が書けない時間が長かったから苦労して……シングル“トランキライザー”を出した頃から、トラックを作ったらその上に載るメロディだけじゃなくて言葉が一緒にくっついて出て来る、っていうことが増えてきて、今回のアルバムの曲もそういうのが多い。それが故に悩まされる、ということが多かったかな。例えば“Sanzan feat. 増田有華”とかも、メロディと同時に歌詞がすぐ思いついちゃって。そこで言いたいことが言えてるが故に、ラップ(ヴァース)が“サブストーリー”みたいになっちゃった。だから、そこから自分が言いたいことをもう一回掘らなければいけなかった。“想い出の向こう側 feat. AKLO”も、『想い出の向こう側』ってフレーズがメロディと一緒に出て来たんだけど、『“想い出の向こう側”って何だろう?』って自分で考える、みたいな(笑)」

■自分から出て来た言葉だけど、その意味が自分でも明確ではなかった、と。
「そう、明確ではなかったんだけど出てきちゃう。メロディの進み方が音程を持っているから、そこに韻を踏んで合わせてしまっているのかもしれないんだけど。“タビカサナル”もこのタイトルで行こうと決めていたけど、『度重なる』と『旅(が)重なる』という意味のサビだけで『もう俺の言いたいこと、言えちゃってる』ってなって」

■本来、サビは曲の要みたいなものだから、そこがパッとハマるモノが出て来ると「やった!」みたいになってもおかしくないですけど(笑)。
「ただ出て来ただけの言葉だったら無視してもいいんだけど、メロディ/音程とセットになってると無視しづらいしね。そういうことが最近増えてきたんだよね。いろんなことを操れるようになってきたから、というのもあるかもしれない。それこそ大人数でやっていれば、『それでいいじゃん』って言ってくれて進められると思うんだけど、本当にひとりで制作してるし、『移籍するかもしれない』って話もあってリリース予定も決まらないまま作っていたから……だから、やっぱ〆切は偉大だな、って(笑)」

■4年間、アルバム・リリースがなかったというのは、そういった悩みから停滞していたということなんですか?
「いや、『SPACE』以降、バンドと一緒にやるようになったんだけど、バンド用のアレンジにもう一回アルバムを作り直すぐらい時間をかけてたから、それで今まで作品に使っていた時間を取られた」

■それはそれで、ひとつのクリエイティヴなプロセスとしてポジティヴな作業ですよね?
「全然そうだよ。活動は、今のこの世の中だったらやっぱりライヴがメインになってきている。だから、これは普通のことなんだけど、『908 FESTIVAL』とかやるとAKLOとか大ちゃん(三浦大知)の曲も全部アレンジし直すっていうのもやるから、すごい大変なんだよね。その作業を外の人に任せると、なんか普通になっていっちゃうと思うんだ。HIP HOPの人が選んで、バランスを決めてっていうのをやるのが大事だと思うし、俺の場合は自分で音も作ってるから、『そこも(アレンジ)変えていいよ』とか言えるじゃん?それによって自由さが増すと思うんだ。やっぱ、他のバンドの演奏上でやると、なんとか打ち込みで作ったトラックを再現しようとしているが故の“堅さ”みたいなものがあったりする。でも、そこから一歩踏み込めるのが自分の武器だと思ってるんだ」

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