INTERVIEW:

YOUNG JUJU (KANDYTOWN/BCDMG)

■「juzzy 92’」では、ラップを通してどんなことを表現したいと思った?
「俺はまっすぐな人間が好きなんで、多分そこを求めていたのかもしれないです。『曲がってるんじゃねぇよ』というか。自分が曲がってる人間になりたくないというのもあったから、自分に向かって歌ってる曲が多い。昔と比べたら、今は自分にとって良い状況なわけだから、『そんな状況でも調子に乗ったらいけないよ』みたいな。自分に向けて歌ってる曲は多いですね」

■確かに、“First Things First”のようなストレートなポジティヴさも、JUJU君のラップの特徴としてあるな、とアルバムを聴いて感じた。
「この曲を作ったときは、仲間に仕事のオファーがたくさん来始めて良い流れを感じてたり、昔からの友達じゃないけど、最近知り合って近い夢を見てて力になってくれてる人とか、レコード会社とかそういう人たちがインスピレーションになりました。リリックを書き始めたら、“感謝”の気持ちが出て来て。既に認められてるFEBBみたいな人が、見えないところですごい動いてくれてることに感謝したし、そこから自分の母親や仲間への気持ちも素直に出て来たんです」

■仲間と言えば、“仲間”“ホーミー”といったワードもよくリリックに出て来るよね。“仲間”という存在は、JUJU君にとってどんな意味を持つ?
「家族ですね。俺の人生ではそれだけしか誇れることがないですね」

■それこそ、「稼いだら仲間にジュエリー買う」みたいなこともラップしてるもんね。
「それがHIP HOPですよね?地元の仲間を一緒にツアー連れて行ったりとかメシ食わせたりとか、少しでもそういうことが出来るのがHIP HOPだと思ってる。そういうことを率直にやってあげたいと思えるような人が、周りにいることは『生きてて良かった』と思えます」

■JUJU君のラップの特徴としては、英語の比率が多いというのもあるよね。ノリで作っていって浮かんだ言葉が結果的に英語だった、という部分もあると思うんだけど。
「そうかもしれないです。IO君とかもよくやるんですけど、まずはワケ分からない言葉でフロウだけ作るんですよ。それをボイス・メモで録ってそこに言葉をハメていくとか。俺に関しては、最初に浮かんだフロウが一番間違いないんですよね。だから、そこから作っていくと良いラップが書ける。言葉からラップを作っていくのって本当に難しいし、特に日本語だとそうなんですよね。フロウに合う/合わない言葉が日本語だと分かれる。『日本語だと合わないな』ってときに英語をハメていくタイプかな。でも、一方で英語(メイン)でやっても仕方ないな、って思うときもあるし、自分は海外で認められるというより、日本、特に自分の地元で認められない限りはHIP HOPという枠の中では何も起きないと思ってるんで、伝えられる限りは日本語メインでやりたいですね。『この人にコレを伝えたい』っていうメッセージがあるときは、日本語メインで作っていったりします」

■“Speed Up”で「俺ら夢の中 みんな雑誌のカバー/HOLD UPこうなること分かってた」って言ってるけど。
「IO君とかYUSHIを見てて『この人たちは有名になっていくんだろうな』って分かってたんです。当時はそこに俺が載るなんて思ってなかったですけど。でも、今はやってるでしょ?だし、俺はKANDYTOWNのYOUNG JUJUだから、ここでは偉そうに『うん、分かってたよ』と言わせて下さい(笑)」

■自分の仲間は家族のようなものであると同時に、彼らの作る音楽の一番のファンというか。
「KANDYTOWNでは俺が、一番そういう感覚が強いんじゃないかな。IO君とか最強にカッコいいでしょ。だから、俺は仲間を誰かにバカにされたりすると、一番カチンとくるタイプですね」

■クルー内でのライヴァル意識も強そうだよね。
「多分ありますね」
DJ NOBUUNITED ARROWSの動画とか、JUJUのヴァースはIOのリリックをそのまま歌ってて面白いなと思った。KANDYTOWNって、他のメンバーのパンチラインを仲間同士で使い回したりするし、あんなに堂々と他人の書いたリリックをキックするのって、今までいなかったな、って」
「そうですよね(笑)。あの動画に出たときは、直前にIO君に誘われてたから何も準備してなかったんです。『俺、何も用意してないからIO君のヴァース蹴っていい?』って訊いたら、『いいんじゃね?』って(笑)」
DJ NOBU「仲間内の信頼感の強さというか、そういうところはあのときホントにビックリしたね」

■確かに、KANDYTOWNのライヴを観てると、他の人のヴァースでも合唱みたいになるもんね。作った人が他のメンバーでも、みんなの共有財産になってて自分のモノとして消化している感じというか。
「そうなんでしょうね。ただ単に、みんなで歌ってると楽しいっていうのもあるんでしょうし」

■「juzzy 92’」が出る頃にはKANDYTOWNの1stアルバムもリリースされ、KANDYTOWNの全国ツアーも始まる。かなり順調に活動が展開されていると思うけど、今後、JUJU君が望むことは?
「偉そうなことを言うようですけど、俺は自分がどうなりたいということより、日本のHIP HOPシーンに貢献したいと思ってる。そうすればもっと楽しくなると思うし、裏からでも貢献できたらいいな、って。今って、こう、ラッパーだったら『YO YO!』みたいな……ナメんなって思うんですよね……HIP HOPの人ってカッコ良いと思うから」

■もう少し具体的に言うと?
「フリースタイルが流行るとか、そういうことだけじゃなくて。HIP HOPって“インパクト”じゃないですか。『うわっ、ヤベェ!コイツらカッケェ!』って思わせてくれるモノが足りないと思うんです。バンっと出て来てカッコ良いモノがもっとあった方がいいと思うし、そうなるともっと楽しくなると思う。そして、HIP HOPの文化を知ることって、楽しいことだと思うんです。それは、声のかけ方、ナンパの仕方とか歩き方とか、仲間のあり方とかも含め。そういうことがもっと浸透すれば、シーンに限らず日本中で悲しい事件とかも起こらなくなるんじゃないかな、って。俺らみたいな仲間がいたら、イジメられて死んじゃうとかはないじゃないですか。そういうところもHIP HOPで変えられるんじゃないかな、って。だって『ママの前では泣くな』『常にレディ・ファーストでいろ』『仲間を売るな』とか、HIP HOPには間違いないことしかない。USのHIP HOPも、社会的な動きに繋がる影響力があるし、そういう風になっていくべきだと思う。良くも悪くも音楽だけではないのがHIP HOPかと。だからまずは、自分たちの発言や行動が凄いってわけじゃないですけど、それを見てくれたり信じてくれる人もいるわけだから、そういった人たちを良い方向にエスコートできるようにならないといけないと思ってます」

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