INTERVIEW:

MACKA-CHIN

「俺自身、色んな形でミュージック・リンクをしてきて、他のジャンルから影響を受けることが本当に多いんだ。それをこのアルバムでやりたかったし、アーティストだけじゃなくて、リスナーにも繋がってもらいたい。この点と点と点が繋がるときは絶対に来ると思うからさ」

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 DJなどの動きはあったものの、ソロ名義としては2007年リリースの「LAST」以来リリースからは遠ざかっていたが、13年リリースの「incompleteness theorem」を皮切りに、翌年はインスト・アルバム「静かな月と夜」をリリースするなど、コンスタントなリリースを展開してきたMACKA-CHIN。
 
 「incompleteness theorem」はGRUNTERZのフル・プロデュース、「静かな月と夜」はアンビエント・アルバムと、それまでのMACKA-CHINの動きとは異なった構成での作品となったが、ニュー・アルバムとなる「MARIRIN CAFÉ BLUE」は、自身初のプロデュース・アルバムとして完成した。そして、そこに客演したのは、GOCCIやJBMといった古くから交流のあるメンツから、N.E.NやM.O.Bといったオーセンティックなアートフォームを継ぐようなメンツ、呂布カルマやMAD BRIDGEのような地方に地場を固めるメンツ、そして TOKYO HEALTH CLUBやHAZY、MC恋してるといったシーンのアウトサイダーとして注目を集めるメンツなど、多様なアーティストが顔を揃えた。そして、MACKA-CHINの手掛けるビートも、アヴァンギャルドな質感と王道性を交雑させたような色合いを持つ。その意味では非常に雑食なアルバムだが、そのスタンスは実は彼の1stとなる「CHIN-ATTACK」や、もっと言えばNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDからまったく変わっていない。MACKA-CHINにしか作れない音楽が、ここには鳴っている。
 
 
■「さんピンCAMP20」のシークレット・ゲストがNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDの総登場というのは非常に驚きました。
「正直なところ、『俺たちもそろそろ!』みたいな感じではなくて、運営側から『ニトロやれる?』って言われたんで、『まあ、やれるよ』って感じだったし(笑)、俺らもちょっとやってみるべっていう。だから、『〈さんピン20〉で奇跡の復活!』って感じもなくて。ただ、今まで頼まれてもやってなかったけど、メンバーの心境的にも条件が合えばニトロをやってもいいかなと思ってるし、そういうタイミングが『さんピン』で合ったのかなって」
 
■ただ、客席の爆発具合も凄かったと思いますし、期待度はそこからも感じられるたと思いますが。
「俺はあのとき、メガネ外してサングラスしてたから、客席が全然見えてない(笑)」
 
■タハハ。大盛り上がりした僕の気持ちを返して下さい(笑)。
「でも、新曲をやったわけじゃないから、手応えもそこまで強くないんだよね。新しいモノを追っかけてると、古いものは古くなるだけっていう、俺はそういう感覚だから。逆に、リスナーにニトロのこと言われても、嬉しい半面、『飽きないの?』って。例えば、いま小林ひとみとか秋元ともみでオナニーできるかって話で」
 
■クラシックではあるけれども……。
「懐かしいな〜、好きだったな〜、とかはあるけど、やっぱりアップデートしたモノの方が好きなんだよね、俺は。それはジャンル関係なくて。確かに、俺も外タレのビッグ・ネームが来たらクラシックを聴きたいと思うし、やらなかったらがっかりすると思うんだけど、自分がその立場になったらってことで、やっぱり新しいモノの方を聴かせたいと思うんだよね。新しいモノをクリエイトしていきたいって思ってるし、クリエイトしてるタイプだから」
 
■20年前と同じ場所に立っての感慨はありましたか?
「感慨はない。新しいモノをどう生み出すか、どうリリースするか、どう営業取るか……っていまだに自転車操業だし、感慨に浸ってる暇はないよね。プロモーションだ、MVだ、SNSだって、どんどんアーティストが背負うものが大きくなって、マルチにこなさなきゃいけない状況じゃん。だから、毎日必死だし、振り返ってるような暇はないよ」
 
■それはアーティストとして現役だからということですよね。
「確かに。今、旬のモノと一緒に、現役の俺の部分を見てくれたほうが嬉しいかなって。ただ、ニトロに思い入れがないわけじゃまったくないよ。休止宣言に一番最後まで反対してたのは俺とSUIKENだから。だけど、休止を宣言したことでソロ活動に集中出来てるし、また一歩別の動きが出来るっていうポジティヴな側面もあった。ある意味、『HIP HOPっぽいこと』をニトロではやってたし、そこに自分を寄せてる部分もあったんだけど、ソロでは全然自分の好きな方向に向かってたし、休止宣言によって、もっと好きなことが出来るようになったというか。だから、今は一周して、自分としては歌謡曲を作ってる感じなんだよね。日本語ラップとかHIP HOPに、あえて寄せていくのが辛いし、『USっぽいこと』みたいに人のケツ追いかけてても、穴は一個だしな、って(笑)。だったら自分のやりたいように尖ったことをやる方が良いと思うんだ。俺の音楽のジャンル分けはレーベルやレコード屋さんに任せるけど、俺としては『日本の音楽』をやってるって思ってるね、今は。だから(レゲエや民族音楽について執筆している)ライターの大石(始)君が民謡や音頭を掘り下げているのは、すごく気持ちが分かる。要は、俺はアメリカの流行ってる音楽をナメてる(笑)。聴きはするけど、今のAV女優がみんな同じ顔に見えちゃうのと一緒で、なに聴いても同じように聴こえてしまうし、そういう『作られたHIP HOP』に興味がなくなってしまったんだよね」
 

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