COLUMN:

「FNCY」に影響を与えたマテリアルたち feat. FNCY

■その意味でも、80’sや90’sは皆さんの共有イメージだったということになると思いますが、その部分を共有の根本においた理由は?
 
G.RINA「そういう“ヴォキャブラリー”を3人が共有していた、ということですよね。『これはアレのベースラインだね』『この空気はアレを思い起こさせるね』みたいな、イメージの共有がすぐ出来るっていう。その前提や共有があって、そこからの飛躍とか実験がFNCYだと思うんですよね。だから、90’sや80’sをベースにするのは、『この3人だったから』ということが大きいと思いますね」
 
鎮座DOPENESS「時代感の共有というか」
 
ZEN-LA-ROCK「年齢も近いし」
 
G.RINA「でも、最新の音楽も3人とも好きなんで、そういった音楽シーンの中で、80’sや90’sの感覚を私たちが織り交ぜるとしたら、っていう。あんまりやっているHIP HOPグループもないのかな?って」
 
鎮座DOPENESS「だから、古いものと新しいものがちゃんとミックスされた状態で作品にしたかった」
 
ZEN-LA-ROCK「単純に懐古主義をやるグループだとはFNCYは思ってないので」
 
 
 
■一聴するとオールド・スクールな感触がある曲でも、ビートの打ち方だったり、音像や構成はすごく今を感じさせる部分があるし、単にリヴァイヴァルするようなものではないですね。ZEN-LA君やRINAさんは、早い段階から80’sや90’sに対するオマージュやアプローチを作品に込められていましたね。そして、そういったアプローチは、今のポップスの中で流行しているシティ・ポップ・リヴァイヴァルなどの先駆けにもなったようにも思うんですが。
 
G.RINA「へ~」
 
ZEN-LA-ROCK「そうなんですか?」
 
 
 
■あれ?(笑)。そんなにそこは意識してない?
 
ZEN-LA-ROCK「申し訳ないんだけど、そもそもそういう感覚を意識していないというか」
 
G.RINA「好きなことをやっているだけっていうのと、ソロでもFNCYでもただの懐古主義にはしたくないというのはあって」
 
鎮座DOPENESS「そもそも、他の人を気にするよりも、自分たちの方向性を考えた方が良いテンションになるっていうか。FNCYに関しても、自分たちの音楽体験をそんなに薄めずに、それをどうやって今の音楽やFNCYの音楽に付け足せるか、っていうことにしか集中してないから、妙な狙いがないんですよね」
 
ZEN-LA-ROCK「『90’sリヴァイヴァルがブームらしい!その波に俺たちも!』みたいなことはまったく考えてないし、最近のFNCY3人のモードが80’sや90’sだったっていうだけで、来年はぜんぜんまったく違うことをやるかもしれないし、って」
 
 
 
■サウンド面はRINAさんがイニシアチヴを取られた部分が大きかったそうですね。
 
G.RINA「自分がトラックをプロデュースするにしても、外部プロデューサーを入れるにしても、この3人だったらどういうサウンドが映えるかとか、現場での細かなニュアンスはアレコレ伝えていたかな。みんな役割分担があって、ヴィジュアルを先導してくれるのはZEN-LA君だし」
 
鎮座DOPENESS「僕はそのふたりの間で口笛吹いて(笑)」
 
ZEN-LA-ROCK「他のプロデューサーも“AOI夜”や“silky”を聴いて反応してくれた人たちだったんで、だから一段一段ステップを踏んでいった感じですね」
 
G.RINA「個人的には鎮君には、他のプロジェクトではやってこなかった部分をFNCYでは引き出したいっていう気持ちがあって」
 
鎮座DOPENESS「僕としても、このふたりに挟まれないと出ない自分っていうのは考えましたね。モロに歌ってたりとか」
 
G.RINA「この曲のサビは鎮君、歌でどうかな?って」
 
鎮座DOPENESS「そういうカッコ良いパートがもらえて良かった。『こう歌って、こうモテたい!』みたいな欲望が発露できた(笑)」
 
G.RINA「あはは。そんな欲望あるの?(笑)」
 

 
鎮座DOPENESS「でも、“silky”ではそう考えてたよ。モテたいっていうか、もし自分が女性だったらこういう歌詞は惚れるな、こう歌ってくれたら濡れるな、って(笑)。そう思ってラップを書いたことはなかったから、自分としても刺激になって」
 
G.RINA「確かに、フェミニンな部分が出てるかもね」
 
鎮座DOPENESS「内なる女性が溢れましたね(笑)」
 
 
 
■全体としても「大人のセクシーさ」がちゃんと出てますね。
 
ZEN-LA-ROCK「まあ、実はもう大人だしね(笑)」
 
 
 
■そりゃそうですけど(笑)。
 
鎮座DOPENESS「長くキャリアを経て、大人だから出せるっていう部分は確実にあると思うし、それがこのムードなのかもしれない」
 
 
 
■制作においてのコミュニケーションはどのように取ることが多かったですか?
 
鎮座DOPENESS「データのやり取りはもちろんするけど、会う回数も結構多かったと思う」
 
G.RINA「プリプロも私の家でやったりしたしね」
 
ZEN-LA-ROCK「アルバム制作の前半は夜に、後半は昼に作ったりしてて」
 
鎮座DOPENESS「その『昼の作業』と『夜の作業』を、みんなで共有できたのも大きかったと思う。作るのが昼と夜だと曲の表情が結構違って、やっぱり!って(笑)。NORIKIYO君も昼と夜の作業では曲の感触が違うって話してた気がする。その気付きは今後の作業にも繋がっていきそう」
 
 
 
■具体的に、昼に作った曲は?
 
ZEN-LA-ROCK「“en”、“Deep Continue”……」
 

 
鎮座DOPENESS「“FNCY CLOTHES”もそうだよね」
 
ZEN-LA-ROCK「“AOI夜”とか“今夜はmedicine”みたいに、FNCYの制作の前半で出来た曲が、『夜の帳』だったり、『夜を保証する』っていうテーマやムードが多かったんで、その雰囲気ばっかりに支配されるのはイカン、と(笑)」
 
鎮座DOPENESS「フェスにも出たいし!って(笑)」
 
 
 
■昼にも映える曲を(笑)。
 
鎮座DOPENESS「夜の曲ばっかりだとクラブ営業ばっかりになっちゃうよ!眠いよ!って(笑)」
 
ZEN-LA-ROCK「まあ、クラブ営業は当然嬉しいんだけど、作品としてもヴァラエティはもっと増やさないとな、と思ってたし、それが一日の中でどの時間に作るかってことに繋がったのは、なるほどな、と」
 
 
 
■なるほど。では、後半はお三方に「FNCYに影響を与えたクレイツ」を伺いたいと思います。
 
 
 

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