COLUMN:

「FNCY」に影響を与えたマテリアルたち feat. FNCY

「『これはアレのベースラインだね』『この空気はアレを思い起こさせるね』みたいな、イメージの共有がすぐ出来るっていう。その前提や共有があって、そこからの飛躍とか実験がFNCYだと思うんですよね。だから、90'sや80'sをベースにするのは、『この3人だったから』ということが大きいと思いますね」 -- G.RINA

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 ZEN-LA-ROCK、G.RINA、鎮座DOPENESSという、音楽シーンの中で確かなキャリアを持つ、そしてオリジナルな感性と作品でリスナーに刺激を与えてきた3人が結成したユニット:FNCY。
 
 そもそも鎮座DOPENESSはSEVEN CUPS OF CHAIやKOCHITOLA HAGURETIC EMCEE’S、KAKATOといったユニットでのリリースや活動はあったものの、G.RINAもZEN-LA-ROCKも、リリースとしてはソロを中心に展開してきたアーティスト故に、決して短くないキャリアを持つ3人が、このタイミングで新たにグループを結成することに、まず大きな注目が集まった。
 
 そして、昨年リリースされた“AOI夜”を皮切りに、“silky”、“今夜はmedicine”といった楽曲をコンスタントにリリースし、90’sや80’sをインスピレーション源としながらも、単なる懐古主義ではなく、現代の音楽としてアップデートするその手腕は、確かな実力と3人だからこそ出来る化学反応を感じさせられた。
 
 約1年の活動を経てリリースされるフル・アルバム「FNCY」は、上記のような楽曲で提示された「スタイリッシュな夜」のムードも引き継ぎつつ、“FNCY CLOTHES”や“DRVN’”に感じるような「フレッシュな昼」のムードも込められ、スキットの構成、そしてヴィジュアル面も含めて、アルバムとしてトータルの意味がある作品として完成。FNCYの向かう先の一端を、パッケージとして表現した。
 
 今回のインタビューでは、FNCYプロジェクトや本作にまつわる話に加え、「FNCYに影響を与えたと感じるクレイツ」を各人に持ち寄って頂き、「FCNYとはなにか」を話し合って頂いた。
 
 
■まず、FNCYプロジェクトのキッカケになったのは、ZEN-LA君のアルバム「HEAVEN」収録の“SEVENTH HEAVEN feat.鎮座DOPENESS & G.RINA”ですか?
 
ZEN-LA-ROCK「そうですね。それまでに鎮さんと俺、俺とRINAさん、鎮さんとRINAさん……ってこの3人はそれぞれに客演してたんですよね。だから、その上でこの3人でしっかり組み合ったら面白いんじゃない?と。それで出来たのが“SEVENTH HEAVEN”」
 
鎮座DOPENESS「俺はZENさんの全アルバムに客演参加してますからね」
 
ZEN-LA-ROCK「『ZEN-LA-ROCK』の“LA ZENZEN SAMBA feat. ARI1010, 鎮座DOPENESS, BRON-K(SDP), NORIKIYO(SDP), D-ASK, サイプレス上野, 1DRINK(JAY-PEG), 宙PFX”、『THE NIGHT OF ART』の“GIMME DA NIGHT feat. 鎮座DOPENESS”、『LA PHARAOH MAGIC』の“T/O/U/C/H feat. 鎮座DOPENESS”ときて、“SEVENTH HEAVEN”」
 
鎮座DOPENESS「あと、RED BULL企画のZEN-LA-ROCK × 鎮座DOPENESS × サイプレス上野“Tropical Triangle”とか、Booking.comのCMも一緒にやったし」
 
ZEN-LA-ROCK「あと、NHK『ごちそんぐDJ』でやった『ライス戦隊ゴハンジャー』」
 
鎮座DOPENESS「そうやっていろいろ組むと、グループに昇格するという(笑)」
 
■RINAさんはアルバム「LIVE & LEARN」で“想像未来 feat. 鎮座DOPENESS”、そしてZEN-LA-ROCK“MOON feat G.RINA”という流れがありました。
 
G.RINA「でも、繋がりとしては昔から、特にZEN-LA君とは90年代ぐらいから出会ってはいたし、そういう流れが今になってぎゅっと纏まってきて、それが作品作りにも繋がっていって」
 
 
 
■そういった“客演”ではなく、FNCYという“グループ”として動きましょう、という話に進んだキッカケは?
 
ZEN-LA-ROCK「“SEVENTH HEAVEN”の評判が良かったし、3人でライヴに呼ばれることも増えてきて。でも、ライヴで3人で一緒に出来る曲は“SEVENTH HEAVEN”しかなかったんで、グループを組めばもっと3人で出来る曲が増えていくだろうし、単純に楽しそうだな、ってことを思いついて、改めてRINAさんと鎮さんに『ユニットでもどうですか?』と(笑)」
 
鎮座DOPENESS「ZEN-LA君から2017年の年末にその話があったんで、『なるほど、2018年以降の仕事はこれか』と(笑)。でも、楽しそうっていうことは想像できましたね」
 
G.RINA「私も、自然に『この3人なら面白いアルバムが出来るな』ってイメージが、そのときからありましたね。どういう曲を作ろうかな?どういう構成がイメージできるかな?っていう、ワクワクが大きかった」
 
 
 

 
■ZEN-LA君はどういったイメージを持っていましたか?
 
ZEN-LA-ROCK「この3人でのプロジェクトが、“SEVENTH HEAVEN”からスタートして、FNCY名義で初めてリリースした“AOI夜”でも、それに近いサウンドに寄せていったことからも分かる通り、80年代とか90年代のサウンドへのオマージュをベースにして、っていうのは当然ながらイメージとしてありましたね。そうしたら必然的にヴィジュアル・イメージもそこに寄っていって。ただ、音源のサンプリングは難しいので、そうじゃない形で、オマージュのアイディアをどう込めていったらいいのか、っていうのはとにかく実験の繰り返しで」
 
G.RINA「90’sとか80’sのオマージュを、今の時代にどういう音にしたら面白いのかなあ、意味があるかなあって、それを考えると、FNCYの活動自体がどんどん楽しくなっていって」
 
 
 
■鎮座君はどういう方向性を考えていましたか?
 
鎮座DOPENESS「全然考えてなかった」
 
 
 
■全然……(笑)。
 
鎮座DOPENESS「『こうしたい』もなかったし、『これが絶対やりたい』もなかった(笑)。それよりも、ZENさんやRINAさんが提示してくれるものに対して、『それにはこういうムードかな?』とか、その都度その都度で返していくというか。RINAさんからビートと『このビートにはゆっくりしたフロウのラップが欲しい』っていう提示があったら、それに対して『こういうムードかな』みたいな感じで返していって。そうやって、指定されたイメージと、自分の中から浮かび上がったイメージを擦り合わせて、一曲一曲手繰っていったら、この内容になっていったというか」
 
ZEN-LA-ROCK「そう言われると、俺もあんまり確かなイメージはなかったかもしれない。話し合ったり、制作を続けていけばなにか見えて来るだろうな、と思ったし、その過程を3人で楽しみたかったっていうか。だから『FNCYではこういうことをしたい!』っていうイメージよりも、『この3人だったらなにが出来るかな?』っていうことを楽しみたかったし、それもあって“グループ”にしようと思ったっていうのもあるし」
 
 
 
■完全なトップ・ダウンであったり、誰かが明確にイニシアチヴを取るなら、その人に客演する形でいいわけですもんね。
 
鎮座DOPENESS「でも、自分の中のテーマとしては、B・ボーイ以前、80〜90年代の幼少期に過ごしてた『トレンディな洗脳の中に感じてたキラキラ感』を落とし込むっていうのはありましたね」
 
 

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