COLUMN:

“REFLECTING 2018” feat. MC正社員

seisyain_main
MC正社員’S PERSONAL 2018 CHART
01. 『フリースタイルダンジョン』でのLick-G/MC☆ニガリ a.k.a 赤い稲妻の100万円獲得
02. 百足や藤Koosら、2000年生まれ世代のラッパーの爆発
03. 『凱旋MCバトル』『MRJ』『ADDVANCE』など、若手主催イヴェントの増加と成長
04. バトル・イヴェントのカラーの明確化と需要
05. SEEDA発案のアカペラ・バトル『BODY BAG』の開催
06. 『戦極MC BATTLE』第18章本戦でのMC漢 a.k.a. GAMIの優勝
07. BAD HOP武道館公演/Creepy Nuts全国ツアー/DOTAMAワンマンなど、バトル出身勢の飛躍
08. NHK『Bring the Beat! ~ヤングラップバトル~』の放送とMCバトルのその先
09. 「今年一番強かったのMCは呂布カルマじゃないか?」説
10. 2019年が本当の勝負の年
​ 
 
「『オーディエンスが飽きていない』というのが今年のバトル・シーンの印象ですね。それにはお客さんが入れ替わっていることが大きいと思う。若かったり、新規リスナーが多いから、新鮮な驚きをもってバトルに向き合ってるし、それが会場やシーンの空気にも伝わるので、すごく健康的な感じがありましたね」
「その要因になってるのは、今でも『フリースタイルダンジョン』や『BAZOOKA!!!高校生RAP選手権』だと思うし、ブームの起爆剤になった事柄が今も続いているのは大きいと思います」
「しかも、リスナーの新陳代謝は早くても、その数は減ってないんですよね。『戦極MC BATTLE』も今年はZEPP TOKYOで2回も開催してるし、『ULTIMATE MC BATTLE』や『KING OF KINGS』などの大きな大会だと、グランド・チャンピオン戦の集客力はまったく落ちてないどころか、増えている。だから、今年もバトルの注目度は安定していたと思いますね」
 
 
「『ダンジョン』では、チャレンジャーのLick-GとMC☆ニガリa.k.a赤い稲妻が般若さんを打ち破って。あのふたつのバトルで、ある意味で神格化されていた『ダンジョン』やモンスターのイメージが変化したと感じたし、急にああいった存在が登場して、いきなり優勝をかっさらっていくっていう、バトルというシステムの原点的な部分も感じましたね」
「Lick-G戦が面白かったのは、彼がある意味では『誰にも信頼されてなかった』という部分。バトルって、話が噛み合う相手じゃないと力が出せない、良い試合にならない部分があると思うんですね。それは若手でもそうで、U-22の試合が面白いのは、みんなバチバチにディスり合って、エグイくらい攻撃しあうんだけど、お互いバトルすることを信頼してやりあってるし、『バトルすること』に慣れてる。でも、Lick-Gは相手のラップを聞かなかったりスカしたりするから信頼関係に乏しいし、バトルとして噛み合ってなかった。だから、信頼関係を築けるニガリの方が、バトルとしては『良い試合』になってましたよね」
「でも、Lick-Gはその特異性とスキルフルな部分が勝因だったと思うし、そういう特異な存在が100万円を獲って、それでも番組が続いていくというのは、『ダンジョン』というコンテンツが定番化したということにも繋がるのかな?って。キャリアや年代的にも、じょうやMU-TON、SAM、IDぐらいの世代がバトル・シーンのど真ん中にいると思うし、その世代のLick-Gとニガリが連続して『ダンジョン』で勝ち上がったのは興味深いですね」
 

 
「世代論で言えば、今年は『2000年生まれ』のラッパーが、バトルの色を変えてくれたと思いますね。その世代ではおそらく百足にまず注目が集まって、そこから藤KoosやONO-D、韻マンとかに広がり、00年生まれに注目が集まっていって。その世代は、TRAPビートでバトルが出来て、見た目もオシャレ。スタイル的にもHIP HOPシーンにそこまで拘ってなさそうなんですよね。それは、バトルが日常にあって、TRAPも普通に聴いてるからだと思うんです。だから、バトルの中にも“skrt skrt”とか、音ハメが普通に入ってくるし、定番の部分では合唱も起きて、新しい感じがする。ただ、同じ世代でも『一緒に上がってこうぜ!』っていう感じじゃなくて、それぞれの動きで頑張っていて、彼らがこの先、音源に進むのか、バトルを続けるのか、まったく違う方向に進むのか、すごく気になりますね」
 

 
「去年の年末あたりから、それこそハタチぐらいの子が主催して、出るMCも同世代っていう、すごく若いバトル・イヴェントが増えていて。ズキ子っていう女性MCは、15歳でイヴェントを始めたりしてて。しかも、特異性もあるイヴェントで……。そういうイヴェントの代表が、怨念JAP主催の『凱旋MCバトル』と、MC派遣社員主催の『MRJ』、ズキ子の『ADDVANCE』。みんな、誰かの後輩として出てきたわけじゃないし、主催としての動きが今っぽくて凄いんですよ、マネタイズや現場以外への認知の広げ方も『DVDにして売る』じゃなくて、その日にやった試合を夜にはYouTubeにアップしてすぐ配信したりで、そのスピード感も凄い。それは素直に参考にしてますね。『凱旋』が一番正統派というか、『戦極MC BATTLE』とかの系譜に近いイヴェントだと思うんですが、スタートから1年ちょっとで、来年は 渋谷O-EASTで主催大会を行なったり。個人的にも、自分と同世代がやってるバトルよりも気になる存在ですね」
「今年は大会ごとにお客さんが求めてるモノが変わってきた感触がありますね。『UMB』にはスキルとドラマ性、『戦極』はパフォーマンス力と即応性、『KOK』は王道、『罵倒』はバチバチ……みたいに、大会のカラーとそれを求めるお客さんの視線が、明確になったような気がする。一方で『MRJ』とか『凱旋』はもっとイヴェント寄りっていうか、バトルもあるけどDJタイムではみんなガンガン踊るし、お客さんもみんな若いし、酒も飲むし、出会いもあって楽しそう……っていう感じで、実はMCバトル・ブーム以前のHIP HOPパーティに近い感じなのも面白いですね」
 

To Page topTo Page top