COLUMN:

2017年国産HIP HOP振り返り座談会(後編)

【前編はコチラ
 

【座談会参加者個人チャート】

伊藤雄介(Amebreak)
「Mobb Life」/BAD HOP
「MODERN TIMES」/PUNPEE
「Girl Queen」/C.O.S.A.
「HIKARI」/JJJ
「here」/KOJOE
「KINGPINZ」/KINGPINZ
「8」/Awich
「BOUQUET」/NORIKIYO
YOUNG JUJU
ISSUGI & DOWN NORTH CAMP
(順不同)
 

 
伊藤  単純に、作品としてのクオリティが高くて唸ったモノを中心にセレクトしました。特にフェイヴァリットなのは“不良系”はBAD HOP、“文系”はPUNPEEっていう感じですね(笑)。だけど、アルバムとは別に、個人的な今年のMVPを挙げるならYOUNG JUJUなんですよね。Awich“Remember”、tofubeats“LONELY NIGHTS”、Monster Rion“Secret Dancehall feat. IO, YOUNG JUJU & Thelma Aoyama”など、“客演王”とまで言っていいかは分からないけど、インパクトの強い名客演が多かったですね。1stアルバム「juzzy 92’」の頃のスタイルから更に脱皮して、KANDYTOWN的な渋いアプローチだけじゃなくて、メインストリーム感のある新しいことも出来る幅広さや華が出せる人なのを、今年の活動を通して証明したと思います。既にメジャーと契約したことがアナウンスされてるけど、マジでバカ売れしてほしい。
 
DJ CELORY  カッコ良いよね。
 
DJ NOBU  売れるでしょ。
 
SEX山口  イケメンだし。
 
高木  手も広がりましたよね。
 
伊藤  ルックスやラップの華、フレッシュ感など、あらゆる意味で今、メジャーで成功してほしいラッパーなんですよね。それから、現行の主流に対するカウンターとしてはKINGPINZのアルバムも清々しいまでのストレート・ハードコアなアルバムで最高でした。というか、去年もそうでしたけど僕はMASS-HOLEが好きすぎるので(笑)。他には、アルバムで言うとKOJOE「here」は印象的でしたね。
 
DJ CELORY  アレは良かったね~。
 

 
伊藤  ここ数年の彼は、いろいろと模索して活動していた印象ですけど、「here」で文字通り、遂に自分の“居場所”を見つけたな、と。客演のメンツもスター揃いだし、それって彼のスキルに対するプロップの高さがないとできないことだったと思う。上半期はJJJ「HIKARI」ばっかり聴いてた気がする。具体的にどう、というより、単純に「クオリティが高い」としか説明できないんだけど(笑)。“BABE feat. 鋼田テフロン”の程よいポップ加減も最高です。
 
高木  理屈を越えて単純にカッコ良いですからね。
 
伊藤  更に付け加えると、ISSUGIの今年の動きは、地道ながら素晴らしかったと思いましたね。DOGEAR RECORDSの10周年イヴェントで恵比寿LIQUIDROOMをパンパンにしたし、自らがナヴィゲートする番組『7INC TREE』を通して自分のライフスタイルや考え方をシェアしていったのは、良い意味で意外な展開でした。
 
 
 
 
荏開津広
“ビッチと会う feat. Weny Dacillo, Pablo Blasta & JP THE WAVY”/DJ CHARI & DJ TATSUKI
“Wishing”/CASPER
“Kick In the Door feat. KNZZ”/STPAULERS
“Gucci Scarf feat. Vingo, Bark & G-k.i.d”/BAD HOP
“KILL IT EYDEY”/MIYACHI, AKLO & kZm
“MAYAKU”/KOJOE
“SEVENTH HEAVEN feat. 鎮座DOPENESS, G.RINA”/ZEN-LA-ROCK
“STAR BEACH LOVE”/Qiezi Mabo
“Louder”feat.YDIZZY /Kepha
“LONELY NIGHTS feat. YOUNG JUJU”/tofubeats
(順不同)
 
次点:
ベスト・パーク・ジャム:サイプレス上野とロベルト吉野+NONKEY+LEON a.k.a. 赤い獅子+イチヨン
ベスト・ライヴ・モーメント:ECD + STRUGGLE FOR PRIDE
 

 
伊藤  今年も荏開津さんのリストは、非常に“若い”な、と(笑)。
 
荏開津  楽曲は座談会でも語られてる曲が多いですね。次点の、というか「ベスト・パーク・ジャム:サイプレス上野とロベルト吉野+NONKEY+LEON a.k.a. 赤い獅子+イチヨン」は、僕が音楽監督で携わった、ワーグナーのオペラをラップで形にするという企画『ワーグナー・プロジェクト』をKAAT(神奈川芸術劇場)でやってもらいました。ひとつお願いしていたのは、会場の舞台美術から言っても、パフォーマンス全体ではないですが、「ブロック・パーティ調のところを入れてほしい」と。お客さんは基本的に演劇のお客さんなので、椅子に座ってじっと観る人たちで、最初はすごくアウェイな感じだったんだけど、最初はツアーの感じのセットから、そのあとLEONさんとイチヨンさんを呼び込み、フリースタイルで40分間?もっとかな?ひたすらラップしてくれたんです。そうしたら、最終的には劇場中のお客さんがみんな立ち上がって盛り上がりました。ヨーロッパから演劇人の重鎮も来ていて、最初は「日本でヒップホップ?」みたいな感じだったんですが、最終的にはすごく盛り上がって、「こんな最高なのは見たことない」と言ってきました。それは凄い光景でした。
 
SEX山口  お客さんにいた女の子の服装についてフリースタイルしたりしてましたね。
 
荏開津  そういうのもすごく盛り上がったし、すべてを知り尽くしている息の合った仲間たちがマイクを交換していくのを久々に見て、やっぱりカッコ良いな、って。それ以外にチャートに入れられなかった作品だとラッパ我リヤ「ULTRA HARD」、ISSUGI x GRADIS NICE『DAY and NIGHT』、GRADIS NICE & YOUNG MAS「L.O.C -Talkin’ About Money-」、MUD「Maku U Dirty」、それにISSUGI「7INC TREE」。あと、チャートに入れていますがCASPER“Wishing”は、確かな技術でHIP HOP以外ではありえない内容のラップですごく良かったです。S7ICKCHICKsでいうと、MC MystieとFUJIKOのプロジェクトもよかった。フィメール・ラップについての演説になる前に自説の開陳は控えます(笑)。
 
高木  「TOUCH」はS7ICK CHICKsで聴かせるモノとは違ったエモさがあって、すごく良かったですね。
 
SEX山口  アダルティで良かったですね。
 
荏開津  Jazadocumentのプロダクションも良かった。ラップの内容とすごく絡み合ってて。
 
 

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