COLUMN:

#フリースタイルダンジョン 座談会 feat. Zeebra/T-PABLOW/KEN THE 390/焚巻/CHICO CARLITO (後編)

「MCバトルはどんどん発展していければいいと思うけど、バトルを通してこうしてやっと市民権を得てきたんだとしたら、ここで一気に音源ゲームの方もオリコン上位の半分がHIP HOPで占めている、ぐらいの状況にまで染め上げたい」 — Zeebra

 
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前編はコチラ
 
■番組もシーズン2に突入し、会場もスケールアップしたこのタイミングで『フリースタイルダンジョン』のサウンドトラックがリリースされましたね。
Zeebra「“音源”(をリリースするアーティストたち)のシーンとフリースタイル・シーンの違い、っていう問題があるじゃん?USでは、『MCバトルで活躍したラッパーが優れた作品をリリースしてヒットするとは限らない』というのは、結構前から言われてたことだし、そういったことは日本でもちょっとあった。もちろん、MCバトルで活躍した方が、多少売り上げ的には良くなるかもしれないけど、MCバトルに出てなくても売れてるヤツらを超えられたか、と言ったらそれは出来てなかったのが実情だったと思うんだ。今って、日本のHIP HOP全体としてのパイがそこまで大きくなっていなかったところに、MCバトルだけが突出してデカくなっているような状況だよね。でも、『高校生RAP選手権』出身のラッパーがちょっと作品を出したら、すぐiTunesチャートで一位になったりして、そういうラッパーがそれなりなクオリティの作品を出してきているから、『音源とバトルでの活躍が釣り合わない』という状況に関しては、少し変わってきていると思う。サウンドトラックを出すことで、そういう状況に更に上手く繋げていければいいな、と思ったのがひとつ。あと、『フリースタイルダンジョン』にはライヴ・コーナーがあるけど、それはバトルだけじゃなくてライヴの方のカッコ良さも見てもらいたいということを意識してるんだ」
 
■番組が盛り上がるのはいいけど、日本のHIP HOPにおいてバトルだけが盛り上がってしまうという危惧も感じていた?
Zeebra「分かんないけど、『俺、音源制作には全然興味なくて、バトルしかやりません』ってヤツ、そんなにいないでしょ?」
 
■まあ、最近はちょいちょい出て来てるとは聞きますね。
Zeebra「まあ、今はね」
KEN THE 390「若い子の中にはいるかもしれないですね」
Zeebra「そういう人がいたとしても、その人たちがバトルをどんどんデカくしてくれて、死ぬまでバトルだけで食っていけるようなシステムになってくれば、それはそれでいいかもしれない。でも、今はそういう現状ではない」
 
■演者側というより、リスナーの方に「音源/ライヴには興味がないけど、バトルには行く」っていう人が増えているんじゃないですかね?
Zeebra「そうだね、それは多い」
CHICO CARLITO「俺らの方がジブさんよりバトルの現場にいるので、それはより感じますね。『HIP HOP、メッチャ好きです』って言う人が、バトルの話しかしない、っていうのは多いです」
Zeebra「最近は、バトルを音源として聴いてるって人もいるんだよね?」
KEN THE 390「YouTubeからバトルの音だけ抜き出して聴いてる人がいるみたいですね。何かの曲がかかったとき、その曲名じゃなくて『どの大会の誰々のときのビート』っていう認識の人もいるみたいで(笑)。でも、バトルから入るとそういう覚え方になる」
 
■バトルの映像を、MVを観るのと同じ感覚で接しているというのはあるかもしれないですね。
Zeebra「MCバトルはどんどん発展していければいいと思うけど、バトルを通してこうしてやっと市民権を得てきたんだとしたら、ここで一気に音源ゲームの方もオリコン上位の半分がHIP HOPで占めている、ぐらいの状況にまで染め上げたい。だって、他の国と比べると、本当にHIP HOP(の楽曲)って(チャート上で)弱ぇんだもん。それは普通に悔しいよね。そういうことも含めて、やっぱり音源の方もチェックしてほしい、という思いはすごくあるんだ。あと、今回のサントラは15曲で2,000円だから、クソ安いっていうのも結構ポイントなんだよね(笑)。『フリースタイルダンジョン』を通して“ビギナー”が超増えたから、そうしたビギナーたちにバトルMCたちの音源を知ってもらいたいんだ」
 

 
■サントラに入っている新曲としては“フリースタイル・ダンジョン 2016”で、CHICO君と焚巻君が参加してるね。
焚巻「リアル・タイムではないんですけど、中学生のときから聴いてた曲ですね。ちょうどEMINEMや50 CENTとかが盛り上がっていた時期でしたけど、『さんピン』世代の先輩が聴いてたので、その流れで聴いてました」
 
■オリジナル・ヴァージョンは、だいぶイルというか、だいぶ変態な曲だけど(笑)。
CHICO CARLITO「だから、オファーを受けたとき『……暗くない?大丈夫?』って思いました(笑)。だけど、今、こういうタイミングだからワチャワチャした(ベタな)感じじゃないのが逆にいいな、って。トラックも変わって、後は俺ら次第、みたいな感じだったからよかったですね」
Zeebra「“フリースタイル・ダンジョン”をリメイクするっていうアイディアがまずあって、そこに番組のチャレンジャーたちが食い込んでくるのは面白いんじゃないかな?って。番組でも、元々チャレンジャーだったCHICOがモンスターになったり、焚巻が隠れモンスターで出て来たりっていう演出は、やっぱり面白いワケで、そういう感じがこの曲でもあった方がいいな、って思ったんだ」
 
■チャレンジャーがモンスターになるって、ヒーローがダークサイドに堕ちるようなモノなので、RPGとして考えるとおかしい気もしないでもないんですけどね(笑)。
Zeebra「まあ、でもふたりは負けちゃってるワケだから(笑)」
 

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